先週末に行われたF1第14戦シンガポールGPで3連勝を達成し、今季通算勝ち星を7勝に伸ばしたルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)が、まだ今季のタイトル獲得に向けて安心はできないと語った。
シンガポールGP決勝ではポールポジションからスタートしたセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が今季初リタイアでノーポイントに終わるという波乱の展開となった。
一方、予選では5番手と苦しみ、レース前には再びベッテルにポイントリーダーの座を奪い返される可能性が濃厚だったハミルトンだが、1周目に起きた多重クラッシュでチャンスをつかんでトップに立つと、そのまま2時間ルールが適用された決勝でトップチェッカーを受けた。
■シンガポールで予備判決が出たとニキ・ラウダ
この結果、ハミルトンはランキング2番手のベッテルとのポイント差を28に拡大。6レースを残すだけとなった時点での28ポイント差はベッテルにとってはほぼ致命的とさえ言えるかもしれない。
メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダも、これでほぼ今季のF1タイトルのゆくえが見えてきたとドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「28ポイントは、我々にとっては悪くないね」
「これまでは、常に2ポイントか3ポイントどちらかが多くとるという形が続いていた。だが、28あればくつろげるよ」
「これはちょっとした予備判決のようなものだったと言っていいだろうね」
■鈴鹿では苦戦を強いられるだろうとハミルトン
しかし、通算4度目のF1タイトル獲得を目指すハミルトン本人はまだ安心はできないと考えている。ハミルトンは、例えば鈴鹿サーキットで行われる日本GP(10月8日決勝)では苦戦を強いられることになるだろうと、『Bild(ビルト)』に次のように語った。
「これから日本でのレースも迎える。あそこでは大きなダウンフォースが必要だし、間違いなく僕たちにとって得意とは言えないサーキットだ」
「ブラジルでも同様にほかのチームが強さを示すだろうし、メキシコでもダウンフォースを多く得られるチームが有利になるはずだよ」
そう語ったハミルトンは、次のように付け加えた。
「正直な話、僕はものすごく接戦になるだろうと思っている。予想はできないな。そこへ行ったときにどうなるか分かるだろうね」