マシントラブルが原因で科されるグリッド降格ペナルティーへの批判が高まっているが、すぐには改善されそうにない。
現在F1ではコスト抑制のため、1シーズンに使用できるパワーユニットは4基までと規定されている。それ以上のパーツを使用するとグリッド降格のペナルティーが科される。また、ギアボックスも6戦連続で使用しなかった場合はペナルティーの対象となる。
F1第13戦イタリアGPでは、ホンダやルノーのパワーユニットを使用するチームを中心に、全ドライバーの半分にあたる9人がグリッド降格となった。
この問題について元F1ドライバーのヨッヘン・マスは、ドイツの『T-Online』に次のように語った。
「パーツを交換したためにグリッドが下がるというのは、私にはまったく理解できない」
「クルマのパーツなんだから、動かなければ交換するしかない」
「モンツァでの混乱を見ただろう。数え切れないほどのドライバーがペナルティーを受けた」
■代替策を2021年までに見つけたい
F1新オーナーのリバティ・メディアからF1モータースポーツ責任者に指名されたロス・ブラウンも、新しい仕組みは「差し迫った」課題だとしている。しかし、代替策が導入されるのは2021年以降となる可能性を示さしている。
「新世代のエンジンを導入する2021年までに解決策を見つけられればと思っている」
「なぜかといえば、現在の仕組みはファンに不人気だと思うからだ。もっと良い方法を見つける必要がある」
FIA会長のジャン・トッドも次のように話す。
「このことについては、次の会議で検討する」
「しかし、解決策を見つけるのは簡単ではないだろう」
パーツの使用数の制限やグリッド降格ペナルティーを単純に廃止することはできない。
そうした場合、資金のあるトップチームは頻繁にパーツを交換できるが、小規模チームはコストの上昇に苦しみ、チーム間の格差がいっそう広がる恐れもあるからだ。