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来季より義務化される「ヘイロー」に頭を悩ませるF1エンジニアたち

2017年08月24日(木)16:42 pm

現在F1チームのエンジニアたちが頭を悩ませていることのひとつに2018年からF1マシンへの導入が義務付けられるドライバーの頭部保護装置「ヘイロー(HALO)」のことがある。

今週末には夏休み明け最初のレースであるF1第12戦ベルギーGP(27日決勝)が開催されるが、各チームではすでに2018年型F1マシンの設計作業に取り掛かっている。

だが、ヘイローに関する詳細なルールが確定するまでにはまだもう少し時間がかかりそうなのだ。

■F1マシン設計にも大きな影響を及ぼすヘイロー

ヘイローは、その見た目の問題から導入に対して不満の声が上がっていることはすでに報じられている通りだが、それがもたらす重量増加や空力への影響にどう対応すればいいのかということもF1カー設計者にとっては非常に大きな課題となる。

だが、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、詳細なルールが明らかとなるのは9月になってからだという。

■F1エンジニアたちの課題も山積

フォース・インディアのテクニカルディレクターを務めるアンドリュー・グリーンは次のように語っている。

「それではあまりにも遅すぎるよ。モノコックに関してはもうすぐ時間切れになってしまう」

さらに、トロロッソのテクニカルディレクターであるジェームス・キーも次のように付け加えている。

「(F1カーの)重心が上がることになるし、重量配分も前の方が大きくなるだろう」

「それに、荷重テストに向けてコックピットの両側を強化する必要があるが、関連する個所に異なるカーボン構造が存在することになってしまう」

■ヘイローによる空力処理もOK

ヘイローは本来ドライバーの頭部を保護するために設けられる安全装置だ。だが、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)ではヘイローの上部を各チームが空力改善のために利用することを認める方針だと伝えられている。

最近来季以降もトロロッソとの契約を延長したことが明らかとなったキーも、これに関しては次のように語っている。

「これは空力への悪影響を小さくすることに役立つだろうね」

基本構造は同じであるものの、チームごとに上部の形状が異なるヘイローが来季お目見えする可能性もありそうだ。

■導入はいいことだとライコネン

どちらかと言えば批判的な意見が多いヘイローだが、フェラーリのキミ・ライコネンは導入を歓迎しているようだ。

「新たなルールやパーツが導入されるときは、最初はかなり違和感を覚えるものさ。だけど、それもすぐに忘れられてしまうよ」

ライコネンは母国フィンランドで行われたスポンサーイベント会場でそう語ると、次のように付け加えた。

「もし誰かの命を救うことができたり、何か悪いことが起きたりするのを防ぐことができるのであれば、ヘイロー導入はいいことだよ」

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