【ドリフト】峠が世界へ！FIAが認めたドリフト世界大会、東京で開催！ドリキンも「感無量」
21日（月）、東京・護国寺にてドリフト世界一決定戦『FIAインターコンチネンタル・ドリフティングカップ（FIA Intercontinental Drifting Cup）』の出場ドライバーが発表された。
■峠から世界一決定戦のモータースポーツへ
ドリフトは1970年代に日本の峠で始まり、“峠族”と呼ばれたドリフトは今や日本以上に世界中の若者を熱狂させているという。
そんな中、FIA（国際自動車連盟）が世界統一レギュレーションを設定し、史上初となるドリフト世界一決定戦を9月30日～10月1日に、東京・台場で開催することが決定した。
その記念すべき世界初開催にあたり、世界30カ国以上から問い合わせがあったそうで、出場ドライバーは世界15カ国・26名が決定した。この26名は、世界各国の自動車連盟が推薦した実績ある実力派ドライバーばかりで、世界一決定戦に相応しい戦いが期待できそうだ。
■FIAジャン・トッド会長も日本発祥のドリフトに期待
発表会当日、D1GPを育ててきた齋田功氏（株式会社サンプロス 代表取締役）がドリフト競技や上記の経緯などを説明。そして、FIAからはFIAドリフトワーキンググループ代表プラサアト・アピプンヤ氏が登壇。
さらに齋田氏が「一番の協力者」だというFIAジャン・トッド会長からは祝福とドリフトに期待を寄せるビデオメッセージが届いた。ジャン・トッド会長は、ドリフトが日本発祥のモータースポーツであることから、東京での開催を決めたという。また、始めやすいモータースポーツということで、多くの若者の参加にも期待し、裾野が広がることにも期待していると述べている。
■ドリキン土屋も感激
元祖ドリフトドライバーであり通称ドリキン（ドリフトキング）土屋圭市や、その“ドリキン”に憧れた今大会出場ドライバーの川畑真人も登壇。
ドリキン土屋は「若い世代がドリフトで生活ができるようにしたい」という想いから齋田氏とD1を始めたといい、ドリフトがFIAの世界一決定戦にまで成長したことについて「17年かかったけど、感無量です」と嬉しそうに語った。
■日本からは4名が出場
世界中が注目する世界初のドリフト世界一決定戦には、日本からは本日登壇した川畑真人の他、藤野秀之、齋藤太吾、横井昌志の実力派4名が出場し、日本代表として世界一を狙う。日本発祥のドリフトだけに、世界中からの注目や期待も大きなものになるだろう。
■日産もドリフトしやすい車を開発か
これまでドリフトしやすい車を多く発売してきた日産からはGT-RのR34やR35、そしてZなどを手掛けてきた田村宏志氏（日産自動車株式会社 商品企画部 チーフ・プロダクト・スペシャリスト）が登壇。
今後、ドリフトしやすいと言われるFR車両の発売の可能性について記者から質問されると、「言えるわけないじゃないですか！コンプライアンスですよ（笑）」と冗談を言いつつも、「ドリフトに必要なシャシー、エンジンなど開発していきたい」と日産の方針を述べた。
■ドリフト世界一決定戦を支えるスポンサー
日本発祥で世界初のドリフト世界一決定戦を支えるスポンサーとして発表されたのは、タイヤメーカーの「東洋ゴム（TOYO TIRE）」と「ワンリ（Wanli Tire）」、オイルメーカーの「スノコ（SUNOCO）」、プラグの「NGK」、不動産の「ヒカリホーム」、エナジードリンクの「モンスターエナジー」だ。
日本発祥の第1回ドリフト世界一決定戦の魅力を伝え、世界的に盛り上げていきたいという関係者の期待を感じられた。
■いずれは世界シリーズへ
今回は各国から推薦されたドライバーによる一発勝負の世界一決定戦だが、F1などのように世界を転戦するシリーズ化構想について記者から質問されると、齋田氏は「2020年には世界3大陸以上で世界選手権を行いたい」と意欲を語った。
■ドリフトの魅力は？
ドリフト競技は、タイムと横滑りの角度を競うのが基本。1台のみで走る「単走（たんそう）」と、2台同時に走行する「追走（ついそう）」がある。1回の走行は1分もかからず、観客席と近いこともあり車の音・匂い・風圧などを体感できるのが魅力の一つだろう。モータースポーツに詳しくなくてもドライバーのテクニックの“凄さ”が素人にも分かりやすいスポーツだ。
先週、福島県のエビス・サーキットで行われたD1GPでは、1000馬力超のGT-Rやコルベットから500馬力のロードスターまで出場車種は様々。パワーで勝負するか、運動性能で勝負するか。マンガの世界をそのまま現実化したような激しいバトルが繰り広げられていた。
峠族が世界一決定戦にまで育った日本発祥の車のエンターテインメントショー、ドリフト。第1回『FIAインターコンチネンタル・ドリフティングカップ（FIA Intercontinental Drifting Cup）』は、9月30日～10月1日に東京・台場で開催される。
