マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエが、フェルナンド・アロンソは世間で言われているほど扱いにくいドライバーではないと語った。
■「円満」ではなかったこれまでのアロンソ
2005年と2006年にルノーで2年連続F1チャンピオンに輝いたアロンソは、F1の長い歴史の中でも最高レベルのドライバーだとの定評がある。
しかしその一方で、気難しくて扱いにくいドライバーであり、ときとして政治的な動きに出ることもあると言われている。
かつて2007年にマクラーレン・メルセデスに移籍したときにはチームメートとしてF1デビューを飾ったルイス・ハミルトン(現メルセデスAMG)やチーム首脳との関係が悪化し、わずか1年で契約を解除したという経緯がある。
また、2010年から在籍していたフェラーリでもチームとの関係が悪化。こちらも契約を中途解除する形で2015年にマクラーレン・ホンダへと移籍している。
■トップチームはアロンソ獲得を望まず?
しかし、現在のマクラーレン・ホンダでは3度目のF1タイトル獲得への挑戦が難しいと判断したアロンソは、2018年には別のチームへの移籍を考えていると伝えられている。
ところが、以前のいきさつもあってが、メルセデスAMGやフェラーリではアロンソと契約を結ぶつもりはないようだとも言われている。
■アロンソは勝利を求めているだけだとブーリエ
だが、ブーリエは『F1i.com』に対し、アロンソは扱いにくい人物ではないと次のように語った。
「フェルナンドがほかのドライバーたちとの比較において特に目立つところは、切実なまでに競争力を求めていることだ」
「彼は何をやるにせよ、勝利することだけを求めているんだ」
「地方のゴーカート場で彼とレースをするとしよう。あるいは彼とテニスをするとしよう。そのとき彼は勝つために200%の力を出そうとするだろう。F1レースと全く同じように臨むだろうね」
■アロンソの頭には勝利しかない
ブーリエは、そうした性格さえ理解できればアロンソは決して扱いにくい人物ではないと次のように続けた。
「フェルナンドは力を発揮し、勝つためだけに生きているようなものなんだ。私は彼が求道者のような生き方をしていると言うつもりはないよ。だが、彼の興味は戦うことだけに向けられているのさ」
「彼がパフォーマンスをどれほど渇望しているかということを理解することさえできれば、そうした特徴を持つキャラクターに対応するのは全く簡単だよ」
そう主張したブーリエは、次のように付け加えている。
「もちろん、我々の最近の結果を考えれば、彼がどれほど悔しい思いをしているのかは想像に難くない。フェルナンドにも自分の性格や期待、そして事情といったものがあるかもしれない。だが彼は世間で言われているようなタイプの人間じゃないよ」