先週ハンガロリンクで開催されたF1シーズン内テストにルノーから出走したロバート・クビサが近いうちにF1復帰を果たすのではないかとの期待が膨らんでいる。
2011年にラリー事故で大けがを負ったクビサだが、もはや右腕の機能は完全には元に戻らないと言われている。
だが、ハンガロリンクでクビサのテストを見守ったルノーのエンジニアが、クビサはF1カーを運転する上で何の問題もないと語ったことが報じられていた。
そして最近、F1ドライバーの理学療法士を務めるダニエル・シュロッサーも、クビサの右腕はF1復帰の支障にはならないはずだと語った。
シュロッサーは昨年までニコ・ロズベルグの理学療法士を務めていたが、ロズベルグが初タイトル獲得後にF1を引退してしまったことにより、現在はフォース・インディアでテストドライバーを務めるロシア人ドライバーのニキータ・マゼピンと組んでいる。
「彼の右腕にはいい筋肉がついている。ボリュームがそれほどないというだけだ」
ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』にそう語ったシュロッサーは、次のように続けた。
「例えば、ニコ(ロズベルグ)は常に手首に強い張りを訴えていたから、彼の腕を集中的に鍛える必要があった。だが、ほかのドライバーの中にはそれほどではない者もいる。それは彼らのドライビングテクニックが違うためなんだ」
「ニック・ハイドフェルドはそうしたドライバーのひとりだったよ。そして多分クビサもそうなんだと思う。そうした連中はほかのドライバーたちと同じように鍛える必要はまったくないんだ」
右腕の機能が限定されているクビサにとっては、きつい左コーナーへの対応が難しくなると考えられている。その点について質問されたシュロッサーは次のように答えた。
「右腕で押す代わりに左腕で引っ張ることができる。テクニック次第ではその方が効率的なこともあるんだ」
シュロッサーは、ここまでに証明された事実からすれば、クビサのF1復帰は間違いなく可能だと思うと次のように付け加えた。
「ハンガリーで、彼は高い気温のもとで非常に難しいプログラムをこなしてみせた。何人かの若手ドライバーにとっても厳しかった条件の中でね。あれをうまくこなせる者ならF1レースにだって対応できるよ」