ケビン・マグヌッセン(ハース)の母国デンマークのメディアが、批判にさらされた24歳のドライバーを擁護した。
■ハンガリーで禍根を残したヒュルケンベルグとマグヌッセン
F1が夏休みに入る前に行われた今季の第11戦ハンガリーGPでは、レース中に激しい順位争いを繰り広げていたルノーのニコ・ヒュルケンベルグとマグヌッセンが交錯。ターン3でアウトから抜きにかかったヒュルケンベルグをマグヌッセンがコース外へ押し出してしまった。
これが原因でヒュルケンベルグはこのレースをリタイアで終えることになったが、マグヌッセンには5秒加算のペナルティーが科され、11番手でフィニッシュしたものの正式順位は13位へと落ちてしまっている。
ヒュルケンベルグはレース後にマグヌッセンを最もアンフェアなドライバーだと批判。だがこれに対してマグヌッセンがソーシャルメディアを通じてヒュルケンベルグを汚い言葉でののしったことでこの問題がさらに大きくメディアにも取り上げられていた。
■F1ドライバーにはアグレッシブな姿勢も必要
その後、元F1ドライバーのマルク・スレールやジャック・ビルヌーブは、ヒュルケンベルグの言い分の方が正しいとし、マグヌッセンのドライビングスタイルはあまりほめられたものではないとコメントしていた。
だが、マグヌッセンの母国デンマークの『BT』紙は、そうした見方こそフェアではないと論評している。
「ケビンは限界ギリギリの走りをしているし、少しばかりやり過ぎることもある」
そう書いた『BT』の記者ピーター・ニヤールは次のように続けた。
「だが、大物たちが争うF1ではそうすることが必要なんだ」
「ペナルティーポイントに目を転じて見るがいい。ダニール・クビアト(トロロッソ)が最も多く(現時点で10ポイント)、その次に4回F1チャンピオンとなったセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とケビンが同点(同7ポイント)で続いているんだからね」
ペナルティーポイントが多いことは本来自慢できるものではないはずだが、2010年から2013年までレッドブル時代に4年連続でF1チャンピオンとなったベッテルですら、時としてペナルティーの対象となるような激しいドライビングをすることがあるのも事実ではある。
■ビルヌーブも昔はそうだった
ニヤール記者はさらに、特に1997年のF1チャンピオンであるビルヌーブが若かった時分には今のマグヌッセンよりももっと攻撃的な走りをしていたと反論し、次のように付け加えている。
「だが、自分が達成したかったことをやり遂げて引退した後では変わってしまうものだ。サーキットにおいて周囲の人たちからの尊敬を得ようとしている時とは完全に違うよ」