2011年以降F1から遠ざかっていたロバート・クビサがついにF1公式テストでの走行を開始している。
2011年のシーズン開幕前に参戦したラリーでクラッシュし右腕に今も障害が残る大けがを負ったクビサだが、伝えられるところによれば、統括団体FIA(国際自動車連盟)が義務付けているテスト(5秒以内でF1マシンから自力脱出可能かどうかを判定するもの)にも合格し、F1復帰に向けてのハードルがクリアされたという。
実際、ハンガロリンクで行われている今季2回目のF1公式シーズン内テスト2日目(水)に最新型ルノーF1マシンのステアリングを握るクビサがどれほどのパフォーマンスを示すかによっては、遠くない将来に再びクビサの姿をF1グリッド上に見ることができるようになるかもしれない。
■クビサはF1復帰を確信しているようだとホーナー
クビサのF1復帰問題について質問を受けたレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、次のように答えている。
「ハンガリーは(身体的に)すごくきついサーキットだし、もしここで問題なく走れるのなら、どこででも走ることができるよ」
「彼は完全にやる気に満ちているし、自分が復帰できると確信しているように見えるね」
■クビサはチャンピオンになっていたはずだとハミルトン
また、これまで3回F1チャンピオンの座についたルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)は次のように語った。
「ロバートが今回のチャンスを得られたことを本当にうれしく思っているし、僕も彼が今後どうなるのかに注目していくよ」
「もし彼が復帰できれば素晴らしいだろうね。彼は生まれながらの才能の持ち主だし、僕がこれまでに戦ったドライバーたちの中でも最速レベルだ。もし彼があのまま続けることができていたら、恐らくチャンピオンになっていただろうと思うよ」
■健闘を期待しているとフェルスタッペン
さらに、2015年にF1史上最年少の17歳でデビューを飾ったマックス・フェルスタッペンも次のように語った。
「僕はロバートのことについてはいろいろ聞いているよ。彼はファイターだったし、とにかくすごく速かったとね」
「僕たちドライバー全員が彼の健闘を祈っていると思う。だけど何周か速く走るのと70周走るのは別物だし、テストの後で状況を判断できるのはロバートだけだと思うよ」
■ストレスなど感じていないとクビサ
最近のうわさでは、もしクビサが今回のテストですぐにでもF1復帰可能だと示すことができれば、早ければ夏休み明けのF1ベルギーGP(27日決勝)から不振のジョリオン・パーマーと交代する可能性もあると言われている。
今回のハンガロリンクでのテストにはクビサの母国ポーランドからも多くのメディアが押しかけてきているという。
だが、32歳のクビサはテストを翌日に控えた1日(火)に『Blick(ブリック)』に次のように語っていた。
「僕は楽しみたいと思っているし、ストレスなんて感じていないよ」
そのクビサだが、2日(水)の現地時間11時30分現在では、トータル58周を消化して全体の6番手となる1分19秒681のベストタイムをマークしている。