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【フォーミュラE】ポルシェ参戦発表、WECのLMP1から撤退。時代は電気、“ライバル”トヨタはどうする?

2017年07月29日(土)16:24 pm

ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:オリバー・ブルーメ)は2019年よりフォーミュラEに参戦することを発表した。

■WECのLMP1からは撤退

これに伴い、今季ル・マン24時間で優勝を飾ったFIA世界耐久選手権(WEC)のLMP1カテゴリーからは2017年末をもって撤退するという。

今後、WECにおけるポルシェは911 RSRによるGTカテゴリーに注力し、『ル・マン24時間』および『WEC』とアメリカの『IMSAウェザーテックスポーツカーチャンピオンシップ」 、その他の『耐久レース』におけるGTカテゴリーへの参戦を継続するという。

■フォーミュラEは魅力的

ポルシェは、この新しいモータースポーツ活動の方針を、経営方針「ポルシェ ストラテジー2025」に沿ったもの、と述べた。これはピュアなGTカーでありながら『フル電動スポーツカー』でもある、ポルシェが現在開発中の『ミッションE』に代表されるものだ。

ポルシェAGの研究開発担当役員のミヒャエル・シュタイナーは次のように語った。
「フォーミュラEへ参戦し、成功を収めることは、我々が開発中のミッションEの論理的な成果といえます。独自に開発したテクノロジー採用の自由度が増しているフォーミュラEは非常に魅力的なカテゴリーです」

「ポルシェはこれまでにない革新的なドライブコンセプトに取り組んでいます。我々は極限のレベルで争われるフォーミュラEを、環境性能、効率性そして持続可能性を前進させるための最良の競争の場として捉えています」。

ポルシェはすでにフォーミュラE車両を開発するための取り組みを始めているという。

■選択と集中

また、フォーミュラEと合わせて、ポルシェはGTカテゴリーでの活動を活発化させるという。
「多様なマニュファクチュアラーが参戦し、高いクオリティのシリーズを運営するWECとIMSAは、我々の労力を911RSRに集中することを決意させました。ナンバーワンになるという目標を達成するには、投資が必要です」とシュタイナーはコメントしている。

■ゼロから初めてル・マン24時間3連勝、2年連続タイトル獲得

ル・マン24時間での3連勝と2015年、2016年のドライバーおよびチームタイトル獲得をはじめとした輝かしい4年間の活動を経て、ポルシェはLMP1カテゴリーから撤退する。しかしポルシェ ワークスチームは11月18日のバーレーン戦まで、今年も2つの世界タイトルを防衛すべく努力していくという。

2014年にポルシェがトップレベルのモータースポーツに復帰する際に中心的な役割を果たしたLMP1担当副社長のフリッツ・エンツインガーは、次のように述べている。
「何もないところからル・マンに向けてチームを作ることは大きなチャレンジでした。この数年間で、私たちは信じられないほどの成功を収める優れたチームへと成長しました。これは我々が前へ進むための基礎となります。私はフォーミュラEでも高いレベルで戦えることを確信しています。モチベーションは高く、新しいチャレンジに興奮しています」。

ポルシェは成功を収めたワークスドライバーを含めたLMP1チーム全体を保持し
、継続参戦するカテゴリーとフォーミュラEへ集中的な準備を行うため、様々な分野における研究開発について検証する予定だという。

■2014年スタートのフォーミュラE

世界初のフル電動車両によるレースシリーズであるフォーミュラEは2014年9月13日にスタートした。F1も管轄するFIAは若者をターゲットとして、電気自動車に賛同する意志を示すべくフォーミュラEを立ち上げた。

その他の多くのレースと違って、フォーミュラEのシーズンは秋に始まり夏に終わる。レースはより多くの観客を集める為、世界中の大都市の中心部において特別に設計されたコースで開催されている。

ポルシェは、電気自動車は特に大都市圏において、モビリティの未来に重要な役割を果たしている、と評価しているようだ。

■WECのLMP1、消滅の危機?

2017年WECのLMP1カテゴリーにはメーカーワークスとしてポルシェとトヨタが参戦しているが、ポルシェが撤退することにより、ワークスチームはトヨタのみとなってしまう。アウディに続き、ポルシェも撤退。フォルクスワーゲン・グループは電気自動車に経営資源を集中していくことになる。

ポルシェの『ライバル』トヨタだが、そのライバルを失ったトヨタの今後の動向にも注目が集まる。

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