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過度の安全重視はF1の本質を損ねると元スーパーアグリ首脳

2017年07月25日(火)16:58 pm

かつて鈴木亜久里が結成したF1チーム、スーパーアグリでマネジングディレクターを務めていたダニエル・オーデットが、2018年からヘイロー(HALO)と呼ばれるコックピット保護装置をF1カーに導入することを決めたFIA(国際自動車連盟)に苦言を呈した。

■フォーミュラカーの頭部保護は長年の課題

2018年のヘイロー導入決定には多くのF1ファンばかりでなくF1関係者の中にも批判的な意見を持つ者が多い。

これに対し、FIAは次のようにヘイロー導入の意義を訴えている。

「モータースポーツにおける安全はFIAにとって最重要課題であり、モータースポーツのさまざまなエリアにおいて大きな進歩を遂げてきている中で、頭部保護はシングルシーター競技において長年の課題となっていた」

■リスクを伴うのがF1レースの本質

だが、オーデットは「リスク」を負うのもレーシングドライバーの仕事の一部だと『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように主張した。

「私の時代には、F1で走るということは素晴らしい名誉であるとともに、大きなリスクを負うものだった」

「私も何人かの友人を失った。だが、F1ドライバーというものはリスクを受け入れる必要がある。それが現実なんだ」

■現在のF1は安全過ぎる

オーデットは、すでに現在のF1サーキットは広いエスケープゾーンが設けられるなど、安全過剰とも言える状態となっていると次のように続けた。

「現在では多くのサーキットが砂漠の中にあるのも同然だし、事故が起きるのはほぼ不可能だと言える。まるでピットからリモートコントロールされたドライバーがシミュレーターで走っているようなものだ」

「あまりにも技術過剰、安全過剰だよ。こうした大げさな安全とリスクゼロにより、私に言わせればF1はいくつかそのエッセンスを失ってしまっている」

■過度の安全はF1の魅力低下にもつながる

そう主張した74歳のオーデットは、安全過ぎるF1はファンにとっての魅力も失われることになるだろうと次のように付け加えた。

「それに、観客にとっての魅力も小さくなってしまう。こういう言い方をするのはよくないことだろうが、人々は時には事故が起きるのを見たいと思っているものなんだ。コース上での戦いを見たいと思っているのと同じようにね」

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