ホンダが、ザウバーとのパワーユニット供給契約を解除したとのうわさを否定した。
■ザウバーとの契約解除のうわさ その背景は?
このほどドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』が、2018年にザウバーにパワーユニットを供給することになっていたホンダがその契約を解除したと報じた。
『Auto Bild(アウト・ビルト)』は、「ホンダが契約を解除した」と断定的に書き、その理由はすでにマクラーレンとも決別が確定的となったことで、今季限りでホンダがF1から全面撤退することを決めたからだとの推論を展開している。
また、別の理由としては、ザウバーでホンダとの契約締結を進めてきたのが前チーム代表のモニシャ・カルテンボーンであったことがあるようだとの見方もある。
カルテンボーンは、ホンダとの関係強化の一環として、ホンダが支援している若手日本人ドライバーの登用にも前向きだと報じられていた。だが、昨年ザウバーの新オーナーとなったロングボウ・フィナンスはカルテンボーンのチーム運営に不満を募らせ、6月に突然カルテンボーンを更迭してしまっていた。
うわさでは、このザウバーの人事に不満を抱いたホンダが契約解除に動いた可能性もあると言われている。
ともあれ、もしこの報道が事実だとすれば、ザウバーとしては来季搭載するパワーユニットに関し、再びフェラーリやメルセデス、あるいはルノーと交渉を始めなくてはならなくなる。
■注目されるザウバー新チーム代表の動き
ザウバーは12日(水)、昨年ルノーのチーム代表を務めていたフレデリク・ヴァスールを新たなチーム代表に指名したことを発表した。
ヴァスールは今週末に行われるF1イギリスGP(16日決勝)が終わった翌日の17日(月)から正式にザウバーの新チーム代表、さらにザウバーモータースポーツの新CEOとしての業務を開始することになる。
だが、報じられているようにホンダとの契約が解除ということになれば、ヴァスールにとってチーム代表として最初の重要な仕事が来季のエンジン問題対応となるかもしれない。
■ザウバーとの関係には何の変化もないとホンダ
しかし、こうした報道に対し、ロシアの『Sportbox(スポルトボックス)』はホンダの広報担当者が次のように語ったと伝えている。
「これは推測に過ぎませんし、我々はこうしたことにコメントするつもりはありません」
「ホンダとザウバーの関係に変化はありません」
しかし、火のないところに煙は立たないということわざもあるように、本当のことはもう少し時間がたたないと分からないというのが事実かもしれない。
■不透明感が漂う2018年のホンダF1
ホンダでは最近第8戦アゼルバイジャンGPの金曜フリー走行でテストしたスペック3パワーユニットを第9戦オーストリアGPで投入していた。結局、アロンソの方にはトラブルが発生し、古いユニットに戻すしかなかったものの、新スペックパワーユニットのパフォーマンスがかなり改善されていたのはドライバーやチームのコメントを見ても明らかだ。
これにより、決別がほぼ確定と言われていたマクラーレンとホンダの関係もやや改善されたようだとの報道も行われている。
一方で、フェラーリがマクラーレンから2018年にパワーユニット供給を受ける可能性に関する問い合わせを受けていたということも明らかになっており、来季もマクラーレン・ホンダがそのまま存続するのかどうかはまだ不透明な状態だ。
今後、ホンダがパワーユニットサプライヤーとしてどういう形で2018年に向かうのかについても大きな注目を集めることになるのは間違いない。