ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)は、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に対するFIA(国際自動車連盟)の処分に不満を持っているようだ。
F1第8戦アゼルバイジャンGPで、セーフティーカーの後ろを走行中にハミルトンに追突してフロントウィングを傷めたベッテルは、ハミルトンが故意に激しく減速したと怒り、ハミルトンと並走してフロントタイヤ同士をぶつけた。
ベッテルはこの行為に対して10秒ストップ&ゴーのペナルティーを科されて、4位フィニッシュに終わっている。
この件を重く見たFIAは、さらなる制裁が必要か調査するため、3日(月)にベッテルをパリのFIA本部に呼んで、会長のジャン・トッドや競技委員長のチャーリー・ホワイティングらとの会談を設けた。しかし結局、追加の制裁が科されることはなかった。
ベッテルはレース翌日にハミルトンに電話
オーストリアGP(9日決勝)を前にした6日(木)の記者会見は、ベッテルとハミルトンが出席するため、集まったメディアで超満員だった。
ベッテルは、「彼と並走してタイヤを当てたのは、間違った行為だった」と反省の言葉を口にした。
ハミルトンは、ベッテルとはレースの翌日に電話で話をし、翌火曜日にメールで謝罪を受けていたことを明かし、互いの「敬意」は変わらないとした。
謝罪は受け入れるもFIAの対応に不満
しかし、ベッテルの行為はF1への「侮辱」だと非難したレース後の発言について聞かれると、ハミルトンは「僕の意見は変わっていない」と答えている。
「言わせてもらえば、ジャン(トッド)はここに座って質問に答えるべきだよ。彼らは月曜日に何も変えなかったんだからね。だから、発信されたメッセージは今も変わっていないことになる」
ハミルトンはアゼルバイジャンで「ベッテルがやったことは若いドライバーにとって悪い例になる」と懸念していた。