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ベッテルの審議結果を待つF1界 出走禁止処分ならフェラーリがボイコットの可能性も?

2017年07月03日(月)19:22 pm

ベッテルの30回目の誕生日にあたる3日(月)、FIAはバクーで開催されたアゼルバイジャンGP決勝でベッテルがルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)のクルマに故意に自分のクルマをぶつけたと考えられている件についてベッテルの聴聞を行うことになっている。

【動画:問題のシーン】ベッテル「いつ危険なドライビングをした?」/F1アゼルバイジャンGP

アゼルバイジャンではレース中に10秒間のストップ・アンド・ゴーがペナルティーとして与えられ、さらに3ペナルティーポイントも科されたベッテルだが、それでは処罰として軽すぎるのではないかというのがFIAの考えだ。そして3日の審議の結果次第ではレース出場禁止も含む厳しい処罰が科される可能性もあると見られている。

■FIAはベッテルの行為を大目に見るべきだとベルガー

そんな中、元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーが、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、前戦F1アゼルバイジャンGP決勝で問題を起こしたセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)のことは大目に見るべきだと考えている。

かつてフェラーリやマクラーレンで活躍した経験を持つベルガーは、ドイツの『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンターク)』に「私はこれほどの騒ぎになっていることが理解できないよ」と語ると、母国オーストリアの『Kurier(クリヤー)』にも次のように主張した。

「私はこのこと全体がいいことだと見ているんだ。ファンなら誰でも自分の意見を持っているし、それはどんなスポーツにおいても必要なことだ」

「我々が目にしたのは感情的な2人のアスリートだ。だが、危険な行為はなかった。あれは2人が引き起こしたものだったし、どちらもすでに罰せられている。ベッテルはFIAによって、そしてハミルトンはモータースポーツの神によってヘッドレストがはずされてしまった」

「もうこの話は終わりにして前に進むべきだよ」

■最初に挑発したのはハミルトンだとマルコ

ベッテルがハミルトンに自分のクルマをぶつけるという行為に及んだのは、その直前にセーフティカー先導のもとでトップを走行していたハミルトンが急に減速したことで自分がハミルトンに追突してしまったことが発端だった。ベッテルはハミルトンが後ろにいる自分のリズムを崩させるためにわざと急減速を行う「ブレーキテスト」を行ったのだと非難している。

レース後にFIAがハミルトンのクルマのテレメトリーデータを確認したところ、ハミルトンがそのときブレーキを踏んでいなかったことは明らかとなっている。

だが、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、仮にそうであったとしてもあのときハミルトンがベッテルに対してけん制行為に及んでいたのは確かだと『Kronen Zeitung(クローネン・ツァイトゥング)』に次のように語った。

「セバスチャンは確かに感情的な人間だよ。だが、私は自分が言ったことを撤回するつもりはない。今のF1カーの電気モーターはパワーをかけないとブレーキのような効果を生むんだ」

「私に言わせれば、あれはハミルトンが挑発したものだ。それに、分かって欲しいんだが、ここは女学生の寄宿舎じゃないんだし、スピードだってそれほど高くはなかったよ」

■ベッテルの姿勢が問題だとラウダ

だが、メルセデスAMGの非常勤会長を務める伝説的元F1ドライバーのニキ・ラウダは、本当の問題はベッテルがハミルトンに向けてステアリングを切ったことではなく、その後ベッテルがそのことについて謝らなかったことだと主張している。

「はっきり言って、最高のプロドライバーだってミスはするよ」

『Welt am Sonntag(ヴェルト・アム・ゾンターク)』にそう語ったラウダは、次のように付け加えた。

「私は、セバスチャンは賢いし経験も豊かだと思っている。だが、彼はすべての事実に対して不毛でかたくなな姿勢をとっている。私は彼にはより多くのことを期待していたよ」

■処分結果によってはフェラーリがレースボイコットも?

FIAでは3日にベッテルの聴聞を行った後、今週末に予定されているF1オーストリアGP(9日決勝)が開幕する7日(金)より前にその裁定結果を明らかにする予定だと言われている。

そして、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、もしベッテルに1レースの出走禁止といった処分が出された場合、フェラーリはそのレースをボイコットすることを示唆していると伝えている。メルセデスAMG陣営は喜ぶかもしれないが、フェラーリが走らないF1は興行的には大きな打撃を受けることになりそうだ。

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