レッドブル首脳のヘルムート・マルコが、レッドブルもシーズン開幕当初と比べると大きく進歩してきていると主張した。
■運にも助けられてバクーで今季初優勝したレッドブル
前戦F1アゼルバイジャンGP決勝は数度にわたってセーフティカーが導入され、赤旗によるレース中断も起こるという荒れた展開となった。
そして、現在タイトル争いを演じているセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)がともに表彰台圏外に落ちるという波乱も起きてしまっていた。
そのチャンスを生かして優勝したのが10番グリッドからスタートしていたレッドブルのダニエル・リカルドだった。
リカルドはレース後に、バクー市街地サーキットは非力なルノーパワーユニットを搭載するレッドブルには本来は有利なサーキットではなく、勝利を得ることができたのは運がよかったからだと認めていた。
■自分たちに合うサーキットなら真っ向勝負も可能
だが、今季あまりいい形でスタートを切ることができていなかったレッドブルにとって、アゼルバイジャンで今季初優勝を手にすることができたのは非常に大きな意味を持つのは確かだろう。
「ゆっくりとだが、ペースは上がってきている」
そう語ったマルコは次のように続けた。
「それは予選でも示されているよ。我々はメルセデスAMGやフェラーリほどエンジンに頼ることはできないがね。しかし、方向性は間違っていない」
「自分たちに合ったサーキットであれば、我々はすでに自分たちの力だけで勝つこともできるよ」
■期待はイギリスGPやハンガリーGP
「シルバーストン(第10戦イギリスGP/7月16日決勝)やブダペスト(第11戦ハンガリーGP/7月30日決勝)には大いに期待をしているところだ。我々のシャシーは本当によくなってきているし、シーズン開幕以降1秒短縮できている」
「だが、ルノーだって大きな進歩を遂げたよ。バクーのストレートでコンマ2秒稼げたということは、それほど大きくはないものの、これまでとは違ってきている」
「我々はすでに2番目の強さを持つクルマと同等の位置に来ているよ。ハミルトンとベッテルはコンマ3秒か4秒前にいるし、パワーもさらに強化されている。だが、我々も正しい方向へと向かっているよ」
■課題はパワーアップと信頼性向上
そう述べたマルコだが、自分たちのホームグラウンドであるレッドブルリンクで行われる次戦第9戦オーストリアGP(7月9日決勝)では苦戦を余儀なくされるだろうと次のように語った。
「この次の我々のホームレースでは最後まで走り切ることが必要なだけだ」
「ストップ・アンド・ゴーの個所がたくさんあるし、ストレートやショートコーナーも多い。そしてアクセルを踏んで駆け上る丘のエリアもある。我々のシャシーでそれを補える個所はほとんどないだろう」
さらに、レッドブルが現在抱えている課題のひとつが、2台のクルマの信頼性を同じように高めていく必要があるということだろう。
リカルドは現在4戦連続表彰台という安定した成績を残しているが、予選ではそのリカルドよりも速さを示すことが多いマックス・フェルスタッペンのクルマにはトラブルが頻発しており、直近の2レースはいずれもマシントラブルによるリタイアとなっている。
この件について質問を受けたマルコは、次のように答えた。
「改善する必要があるのは明白だ。すべてのエリアでそういうことが起きているからね」