ここ数年のうちに大きな変動が生じた名門F1チームのマクラーレンだが、唯一変わっていないのはその「チーム名」だけだ。
そう語ったのは、かつて2003年から2009年まで、さらに2011年にマクラーレンの控え兼テストドライバーを務めていたスペイン人元F1ドライバーのペドロ・デ・ラ・ロサだ。
■名前以外は数年前とは全く違うチーム
現在苦境に立たされているマクラーレン・ホンダについて質問を受けたデ・ラ・ロサは、スペインの『AS』紙に次のように答えた。
「現在のマクラーレンについてはあまりよく知らないんだ」
「今でも素晴らしい人たちがいるし、僕の友人もまだ所属している。だけど僕がマクラーレンで仕事をする栄誉を与えられていたときにいた人たちのうち80%が今ではメルセデスAMGやレッドブル、あるいはフェラーリにいるんだ」
そう語ったデ・ラ・ロサは、次のように付け加えた。
「今マクラーレンはホンダとやっているし、僕には何も言えないよ。誰も知らないしね。だけど、残っているのはその名前(マクラーレン)だけさ」
■マネジメントは完全に刷新
実際のところ、マクラーレンはここ数年で大きくその陣容が変わってきている。一例をあげれば、2013年シーズン開幕前にはテクニカルディレクターを務めていたパディ・ロウが離脱。ロウはその後メルセデスAMGへ移籍し、2014年から2016年にかけてのF1タイトル3連覇に貢献し、今季はウィリアムズに移籍している。
また2014年1月にはそれまでマクラーレンのCEOを務めていたマーティン・ウィットマーシュが更迭され、最高権威の座にあったロン・デニスが再び最高責任者として復帰。これに合わせてロータスのチーム代表を務めていたエリック・ブーリエがレーシングディレクターとしてマクラーレンに参加。この間、トップクラスの技術者たちの出入りも多くなっていた。
そして、今年1月には最高権威のデニスも失脚。現在はその後任としてアメリカ人のザック・ブラウンがエグゼクティブディレクターとしてマクラーレン運営の責に当たっている。