2016年にルノーでF1デビューを飾り、現在2年目のF1シーズンを迎えているジョリオン・パーマー(ルノー)。だが、今季はここまでフォース・インディアから移籍してきたチームメートのニコ・ヒュルケンベルグに明らかに差をつけられてしまっている。
■いまだノーポイントのパーマーにシート喪失のうわさも
7戦を終えた時点で、ヒュルケンベルグは4回の予選Q3進出を果たすとともに、4レースで合計18ポイントを獲得している。一方、パーマーの方は第3戦バーレーンGPで一度だけ予選Q3に進出したことはあるものの、決勝ではすべてポイント圏外のフィニッシュとなっており、いまだに1ポイントも獲得することができていない。
最近、チームを率いるシリル・アビテブール(マネジングディレクター)もパーマーは結果を出す必要があると語っており、場合によってはシーズン中途でのドライバー交代もあるのではないかとのうわささえささやかれている。
■コース上の活躍でそうしたうわさを消したいとパーマー
だが、パーマーは、そういううわさをプレッシャーに感じているわけではないとドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。
「プレッシャーがあるとすれば、それはいいパフォーマンスが出せていないということについてだよ」
「そういううわさを消し去るにはコース上でうまくやるしかないし、僕にはそれができると思っている」
■不振の理由は説明できない
だが、ここまでの7戦すべての予選でパーマーはヒュルケンベルグに大きな差をつけられてしまっている。その差があまりにも大きいことから、ルノーではヒュルケンベルグの方にだけ高パフォーマンスのエンジンを与えているのではないかとのうわさすらささやかれたほどだ。もちろん、ルノーはそうしたうわさを否定している。
ここまでのレースでヒュルケンベルグとの差が開いてしまっている原因について質問されたパーマーは次のように答えた。
「説明はできないんだ」
「僕が何か間違えていたのだとは思っていない。差になって現れるのはほんのささいなことだからね」
「僕はただできる限りうまくドライブしなくてはならないということだ。ガレージの反対側(ヒュルケンベルグ)がどうなっているかなんてことは関係ないよ」
■ペイドライバーが増えたと嘆くビルヌーブ
今週、1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブが、今季ウィリアムズからデビューした18歳のランス・ストロールに関して本来F1で走ることができるようなドライバーではないとコメントしたことが報じられている。
ビルヌーブは、ドイツの『Die Welt(ディー・ヴェルト)』紙に対し、近年のF1は非常に安全になったことで、金でシートを買う「ペイドライバー」でさえ走ることができるようになっていると次のように語った。
「昔はものすごい情熱を持ち、命さえ顧みないという連中と戦っていたんだ」
「今では、父親が息子にレースをさせたいと思っている。彼らに才能がないにもかかわらずね。それはF1のコックピットがモーターバイクはスキーよりも安全だからだよ」
■今後真価が問われるパーマー
ストロールの父親はトミー・ヒルフィガーなどのファッションブランドを展開するカナダの大富豪であり、ストロールもそのおかげでウィリアムズのシートを獲得できた「ペイドライバー」だという声は多い。
しかし、ストロールは地元カナダで行われた第7戦カナダGPで9位に入賞し、F1キャリア初ポイントを獲得している。
一方、パーマーの父ジョナサン・パーマーもイギリスでレーシングサーキットなどを運営する富豪として知られている人物だ。パーマーが「ペイドライバー」ではないと証明するためには、まずはチームメートのヒュルケンベルグにひけをとらない走りを見せることが必要となる。