先週末に行われたF1モナコGP決勝では、2つのトップチームでピット戦略によりドライバーの順位が入れ替わるというケースが発生していた。
●【決勝結果】F1モナコGP決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
だが、レッドブルの首脳たちが、いずれもチームが意図的に順位を入れ替えたわけではないと主張した。
まず、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、マックス・フェルスタッペンとチームの関係はこれまで通り良好だと主張した。
■リカルドに逆転されたフェルスタッペン
モナコGP予選でチームメートのダニエル・リカルドよりも上となる4番グリッドを確保したフェルスタッペンだが、レース中にチームがとったピット戦略によってリカルドのほうが自分よりも前でコース復帰していた。
これに怒ったフェルスタッペンは、無線を通じてチームをののしるような発言を行っていたのだ。
フェルスタッペンがそういう行為に至った気持ちは理解できるかと質問されたホーナーは、フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』に次のように答えた。
「もちろんだよ。自分より後ろにいたチームメートが自分の前に出てレースが終われば、怒るのも当然さ」
「だが、状況についての説明が行われたら、すべて落ち着いたよ」
■フェラーリの逆転も意図的なものではない
一方、モナコでチームのピット戦略に腹を立てたのはフェルスタッペンだけではなかった。
ポールポジションからスタートしながら、ピット戦略でチームメートのセバスチャン・ベッテルに前に出られてしまい、久々に優勝するチャンスを逃したキミ・ライコネン(フェラーリ)もレース後には不機嫌な顔を隠そうとはしなかった。
中には、現在ドライバーズランキングトップにいるベッテルに勝たせようと、フェラーリがわざとそうなるようなピット戦略をとったのではないかと疑いの目を向けた者もいる。
しかし、ライバルチームであるレッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、そんなことはないと考えている。
「フェラーリがわざとそういうことをしたとは思えないね」
ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』にそう語ったマルコは、次のように付け加えた。
「彼は我々とボッタス(メルセデスAMG)に対応しなくてはならなかったんだ。彼が遅すぎたからね。そして我々もマックスを早めにピットインさせるしかなかった」
■これからの3レースがカギになるとホーナー
フェルスタッペンよりも6周あとにピットインしたリカルドは、フェルスタッペンばかりか3番手を走行していたボッタスの前でコース復帰を果たし、最終的に3位表彰台に上っている。
しかし、今後レッドブルが常にメルセデスAMGやフェラーリと戦えるというわけでもなさそうだ。
「モントリオール(第7戦カナダGP/6月11日決勝)、バクー(第8戦アゼルバイジャンGP/6月25日決勝)、そしてシュピールベルク(第9戦オーストリアGP/7月9日決勝)については心配しているよ。それらはモンツァ(第13戦イタリアGP/9月3日決勝)と並んで非常に難しくなるだろう」
そう述べたホーナーは、次のように付け加えた。
「その3つのサーキットでうまくやることができれば、シーズン後半にはかなりいい見通しを立てることができるだろうがね」