ケビン・マグヌッセン(ハース)が元マネジャーと裁判で争うことになったと報じられている。
■2015年に元マネジャーと決別していたマグヌッセン
2010年にマクラーレンのドライバー育成プログラムの一員となったマグヌッセンは2014年にマクラーレンから念願のF1デビューを飾った。その年をドライバーズランキング11位で終えたマグヌッセンだったが、翌2015年にはフェルナンド・アロンソがフェラーリから移籍してきたために再び控えドライバーに降格。そしてそのシーズン途中でマクラーレンを離脱していた。
伝えられるところによれば、マクラーレンのシートを失った時点でマグヌッセンはそれまで長期にわたってマネジャーを務めていたドルテ・リース-マスンと決別しており、翌2016年にルノーのシートを獲得した際は自分自身で交渉にあたっていたと言われている。
そして、今季はハースへと移籍したマグヌッセンだが、その際もデンマークの衣料販売大手ベストセラー・グループを率いるアナス・ホルシュ・ポブルセンからの支援をバックに自力でハースとの間に複数年契約を結んでいる。
■逸失利益賠償を求めるマネジャー
しかし、デンマークの『Ekstra Bladet(エクストラ・ブラデ)』紙が報じたところによれば、リース-マスンがマグヌッセンに対して訴訟を起こし、その裁判が6月1日から開始されることになったという。
リース-マスンは、マグヌッセンが契約を破棄したことにより受けた損害、つまり現在および将来的に得られるはずだった収入について、その賠償を求めているという。
『Ekstra Bladet(エクストラ・ブラデ)』によれば、両者は話し合いを行ったものの和解に達することができず、ついに正式に裁判で決着をつけることになったようだ。裁判はデンマークの首都コペンハーゲンで行われることになるという。
■マネジャーの立場も理解できると同郷ドライバー
マグヌッセンと同じデンマーク出身の元レーシングドライバーであるジェイソン・ワットは、この件に関して、モータースポーツの世界ではドライバーとマネジャーが長期契約を結ぶことも特別珍しいことではなく、そのドライバーを売り込むためにマネジャーが先行投資することもあるのだと次のように語っている。
「10年から15年に及ぶ契約期間も珍しくはない。マネジャーは(ドライバーの)キャリアを構築するために金をつぎ込むのだが、利益が出るようになるまでに何年かかかることもあるんだ」
『Ekstra Bladet(エクストラ・ブラデ)』の取材に対し、マグヌッセンは「今は何も言うべきことはないよ」とコメント。一方のリース-マスンはコメントを控えたという。