レッドブル首脳のひとりであるヘルムート・マルコが、新F1オーナーとなったリバティ・メディアによるF1改善の動きを評価する発言を行った。
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■かつてない粋な計らいが行われたスペインGP
先週末にバルセロナで開催されたF1スペインGP決勝ではスタート直後のクラッシュによりキミ・ライコネン(フェラーリ)が早々とリタイアに追い込まれた。
そのとき、テレビの国際映像にはライコネンファンと思われるフェラーリのシャツを着た男の子が泣きじゃくる姿がとらえられていた。
その後、フェラーリからの依頼を受けたF1商業権管理組織であるFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)のスタッフがその子と両親をパドックへと案内。フェラーリのモーターホームでライコネンから直接サイン入りの帽子が手渡されて笑顔を浮かべた男の子の映像も世界へ報じられた。
これまでのF1には見られなかった粋な計らいがフェラーリとFOMの協力で実現されたわけだが、これに関してバーニー・エクレストンの後任として新たなF1最高責任者に就任したチェイス・キャリーは、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「以前の管理体制のもとでこういうことが可能だったのかどうかは分からないけれどね」
■レースごとに登場する新たなアイデア
だが、F1のファンに対する姿勢の変化はほかの部分にも表れている。
バルセロナではF1のブランド名が施されたミナルディの2シーターフォーミュラカーが週末を通じて走行を行い、ファンを楽しませていた。アメリカのインディカーでは、抽選で選ばれたファンがレース前に2シーターフォーミュラカーに乗ってサーキットを1周するといったイベントが行われているが、ひょっとしたらバルセロナでもそれを参考としたのかもしれない。
レッドブルのマルコも、こうした動きを歓迎している。
「レースごとに新しいアイデアが出てくるんだ」と語ったマルコは、次のように付け加えた。
「我々(レッドブル)もしばしばアイデアを出したが、それが支持されることはなかった。だが、もはや上から強制されるものではなく、イベント全体をもっと魅力的にするための協力が重要になってきているんだ」
■雰囲気やムードがよくなったF1
そうした考え方は、レッドブルにとってとりわけ重要なものとなるだろう。レッドブルは単にF1チーム運営にとどまらず、今季も第9戦に組み込まれているオーストリアGP(7月9日決勝)では主催者を務める立場でもあるからだ。
実際のところ、マルコはすでにレッドブルリンクで開催される今年のオーストリアGPに向けて、リバティ・メディアからF1マーケティング責任者に指名されたショーン・ブラッチスと連絡を取り合っているのだと認めている。
「我々はいろんなアイデアが書き込まれたリストを彼に提示したんだ。そして1時間以内に10項目すべてに合意したよ」
そう語ったマルコは、次のように付け加えた。
「雰囲気やムードが変わってきているよ。だが、同時に、技術面やエンジン面、そして財政面に関する新しいレギュレーションについて非常に突っ込んだ話し合いも行われているよ」