元F1ドライバーであり1997年のF1チャンピオンでもあるジャック・ビルヌーブが、今季ここまでのフェラーリには驚かされたと語った。
今シーズンはここまでの4戦で2勝をあげたフェラーリのセバスチャン・ベッテルが現時点でドライバーズランキングのトップに立っている。2014年に現行パワーユニットがF1に導入されて以来、メルセデスAMG以外のドライバーがランキングトップに立ったのは初めてのことだ。
■今年のフェラーリは驚き
現在イタリアのテレビ局でF1解説者を務める46歳のビルヌーブは、フェラーリ専門ジャーナリストとして知られるレオ・トゥッリーニの取材に答えて次のように語った。
「(フェラーリには)驚かされていると認めるよ」
■ボッタスにはまだタイトル争いは無理
さらに、先週末にソチで行われたF1ロシアGPでは今年メルセデスAMGに移籍したバルテリ・ボッタスが初優勝を飾ったが、ビルヌーブはそれにも驚いたと語りつつ、次のように続けた。
「僕は慎重派でもあるんだ。ソチは彼(ボッタス)が好きなサーキットだし、すべてのサーキットで彼がああいうふうに(ルイス)ハミルトンに勝てるとは思わないよ」
「それに、彼が心理的にF1タイトルを争うだけの準備ができているかどうかは分からない」
■レッドブルも2強には追いつけない
一方、ここまでフェラーリとメルセデスAMGに水を空けられているレッドブルだが、次戦スペインGP(14日決勝)には「Bスペック」とも呼ばれる大幅な改良を施した新シャシーを投入することになっている。
しかし、ビルヌーブは、レッドブルが今季中にフェラーリやメルセデスAMGに追いつくことができれば、それも驚きだろうと次のように語った。
「彼ら(レッドブル)はかなり後れを取っているよ。運さえよければ、彼らも1レースか2レース勝つことができるかもしれない。だけど、あのクルマでは、フェラーリやメルセデスAMGのレベルに追いつけるとは思えないね」
■今季のF1チャンピオン最有力候補は?
「僕の予想では、タイトルはベッテルのものだ。フェラーリは素晴らしい仕事をしているし、セブ(ベッテルの愛称)はプレッシャーに対応することができるからね」とビルヌーブは主張した。
■ライコネンを過小評価すべきではない
一方、メルセデスAMGのハミルトンとボッタスをはさんで、現在ランキング4番手に位置しているキミ・ライコネンに関しては、事実上のフェラーリの“ナンバー2ドライバー”だという見方をしている者もいる。
だが、ビルヌーブはそうした見方は誤りだと次のように主張した。
「ライコネンは素晴らしいし、ナンバー2なんてものじゃないよ。僕はみんながそれを理解したがらないことに驚いているくらいさ」
「彼(ライコネン)とベッテルの1周あたりの差はせいぜいコンマ1秒ほどだ。それに、彼は完ぺきなチームメートだし、チームとの関係がこじれるようなことは決してないんだ」