インディカーのCEO(最高経営責任者)を務めるマーク・マイルスが、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)が今季インディ500に挑戦することはインディカーだけでなくF1にとってもよいことだと語った。
■本当は残念だとF1ボス
今週、バーニー・エクレストンの後任としてF1最高責任者のポジションに就いたチェイス・キャリーは、アロンソがF1モナコGPを欠場してインディ500に挑戦することになったことについて次のように語った。
「素晴らしいF1ドライバーが違う形でアメリカの観衆の前で走るのは、我々にとっても間接的な利益となるものだ」
「だが、理想的な状況ではない。できることなら、私は彼がモナコで走るのを見たかった」
■両者にとってプラスになるはずだとインディカーのボス
マイルスも、キャリーの立場はよく理解できるとしつつ、スペインの『Marca(マルカ)』に次のように語った。
「もし、1か月前になって我々の(2016年の)チャンピオンである(シモン)パジェノーが私に(F1で)レースをしたいと言ってきたら、私も同じことを考えただろうね」
「だが、今では私は違う見方をしている。それが両方のスポーツを拡大する助けになるはずだ。我々にとっては大きな意味がある。商業的な意味ではないよ。その部分への貢献度は限られているからね。だが、これによって我々のシリーズのことを知らない多くの人たちも我々に目を向けることになる」
■アロンソのテスト走行は想像以上の反響
実際のところ、アロンソがインディアナポリス・モータースポーツウエイで3日(水)に行ったオーバルコース初テスト走行の模様を伝えたオンライン中継は世界中で200万人が見たと言われている。
「あの放送がこれほどのインパクトを持つとは予想していなかったよ。中には誰も見やしないだろうと考えていた者もいるくらいだ。だが、あれは素晴らしかったよ。まだ(公式セッションが)始まってもいないのにね」とマイルスは付け加えた。
アメリカ国内で最大の人気を誇るモータースポーツは何と言ってもNASCARだ。伝統あるインディ500は別格としても、インディカー・シリーズそのものはそれほど絶大な人気を誇っているわけではない。さらに、アメリカのF1ファンは全体から見ればまだ少数派であり、中にはF1を見たこともないという人も少なくない。
マイルスが言うように、今回のアロンソのインディ500挑戦はインディカーが世界的人気拡大を図る上での絶好のチャンスとなるのは間違いない。
さらに、アメリカ市場のさらなる開拓を目指すF1としても、このチャンスをうまく生かすことでアメリカ国内でのF1への関心をさらに高めるチャンスにできるかもしれない。