今季も大苦戦を強いられているマクラーレン・ホンダだが、その最大の原因がホンダパワーユニットの力不足によるものであるのは確かだ。
●【マクラーレン】ブーリエ「ホンダPUはすべてにおいて劣っている」
マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエは、今季もこれから改善に努めていくものの、ホンダはすぐに2018年用のパワーユニット開発を進めていくべきだと主張している。
■ロン・デニス失脚により前進したホンダの複数チーム供給
その2018年に目を向けたとき、これまでと大きく変わるのが、ホンダがマクラーレンと並行してザウバーにもパワーユニットの供給を開始するということだ。
昨年マクラーレンの最高権威の座から失脚したロン・デニスは、ホンダからパワーユニットの独占供給を受けることに固執していた。だが、新たにアメリカ人のザック・ブラウンが最高責任者に就任したマクラーレンは、ホンダが別のチームにパワーユニット供給を行うことにもオープンな姿勢へと変化してきている。
複数のチームに供給することになれば、より多くのデータを集めることもでき、それが改善開発にプラスに働くことから、ザウバーへの供給開始はマクラーレンにとってもメリットとして帰ってくる可能性もある。
■そうなるのは時間の問題だった
「我々は一緒に決めたんだ」
ザウバーへのホンダパワーユニット供給決定に関してそう語ったブーリエは、次のように続けた。
「自分たちがなすべきことをしたということだ。ロンは非常に確固かつ明確な姿勢をとっていた。彼はよそに(ホンダの)注意が向けられることを望んでいなかったんだ」
「だが、ホンダはFIA(国際自動車連盟)とFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)との間に道義的な契約を結んでいたし、我々もいつかそういうときがくればホンダがほかのチームの面倒を見なくてはならないことも分かっていた。だが、我々は必要とする安心材料も得たし、反対する理由はないだろう」
そう述べたブーリエは、次のように付け加えた。
「ザウバーにとってはいいことだ。それによって、例えばルノーとレッドブルの関係に似たファクトリーエンジンを得る権利を得るわけだからね」
伝えられるところによれば、ザウバーではホンダパワーユニットとともに来季からマクラーレンのギアボックスを使用することになるという。
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