先週末にソチで行われた今季のF1第4戦ロシアGPで初優勝を遂げたバルテリ・ボッタスが、来季もメルセデスAMGに残留するチャンスを広げたようだ。
■事実上のナンバー2と見られていたボッタス
2016年のF1チャンピオンとなったニコ・ロズベルグが突然引退してしまったことから、急きょウィリアムズから引き抜かれてルイス・ハミルトンのチームメートとなったボッタスだが、これまでは実質的にチーム内では“ナンバー2”の位置づけに過ぎないだろうとの報道が行われていた。
事実、メルセデスAMGはボッタスと2017年シーズンの1年契約しか結んでおらず、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)やセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がやはり今年で現在の契約が満期を迎えることから、2018年にはそうしたトップドライバーとの契約も視野に入れているのは明らかだ。
■今季のF1チャンピオン候補のひとりに浮上したボッタス
だがボッタスは、移籍3戦目のバーレーンGPで初ポールを獲得すると、続く第4戦のロシアではスタートでフェラーリ2台を追い抜き、そのまま安定した走りで終始トップを快走してF1キャリア初優勝を達成してみせた。
しかも、ソチではすべてのセッションでこれまで3度F1チャンピオンに輝いているチームメートのハミルトンを打ち負かすというパフォーマンスを見せたのだ。
現時点ではドライバーズランキングトップのベッテルに23ポイント差、2番手のハミルトンに10ポイント差の3番手につけているボッタスとしては、今季のF1タイトル獲得もその視野に入ってきているはずだ。
ボッタスが2017年のF1チャンピオンになる可能性について尋ねられたニキ・ラウダ(メルセデスAMG/非常勤会長)は次のように答えた。
「それは誰にも分からないよ。彼はひとつのレースで勝った。彼にとっては初勝利だ。だからこれから様子を見ることになるだろうね。だが、ドライバーにとって次の勝利をあげるのはもっと簡単なことだと私は思うよ」
■ボッタスの2018年メルセデス残留も濃厚に?
ある意味では期待以上の活躍を見せていると言っても過言ではないボッタスが、2018年以降もメルセデスAMGにとどまる可能性も大きくなってくるのは間違いないだろう。
ソチでのレース後にドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』から、ボッタスはこれで2018年の契約を更新するに十分な活躍を見せたと考えているかと質問されたエグゼクティブディレクターのトト・ヴォルフは、「ほんの数レースしただけで彼のチーム内での位置について議論するのはばかげていると思う」と答えたものの、次のように続けた。
「彼にはもう少し時間が与えられるべきだ。彼はジュニアカテゴリーでは素晴らしい結果を残してきた。そして、ウィリアムズではチームメートに負けたシーズンは一度もない」
「今では、彼はルイス・ハミルトンのチームメートとなった。彼はポールポジションをとり、今日のレースで勝ってみせた」
「このレースで、我々がバルテリを選んだことが正しかったことが証明されたよ」
■現時点ではドライバー関係も良好
そう述べたヴォルフは、ハミルトンとボッタスというドライバーラインアップは、昨年までのハミルトンとロズベルグというコンビよりもうまく行っていると示唆し、次のように付け加えた。
「バルテリもニコも非常に分析が得意だし、落ち着いたアプローチをするんだ。だが、彼(ボッタス)とルイスとのバランスもうまく機能している。そしてこの原動力が成功への要素のひとつなんだ」