レッドブルのダニエル・リカルドが、次戦F1スペインGP(14日決勝)以降、レッドブルがトップ争いに加わることができるようになるのではないかとの見方に対し、少々悲観的な反応を示したと伝えられている。
■今シーズン序盤は出遅れたレッドブル
2010年から2013年までセバスチャン・ベッテル(現フェラーリ)を擁してF1ドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを4年連続で制覇したレッドブルだが、2014年に現行パワーユニットが導入されてからはタイトル争いから大きく後退してしまっている。
だが、レギュレーションが大きく変わった今シーズンはこれまでよりも空力の重要度が高まることもあり、開幕前にはレッドブルがメルセデスAMGとF1タイトル争いを繰り広げることになるだろうと言われていた。
だが、その期待もむなしく、実際にシーズンが開幕するとレッドブルの今季型車RB13の戦闘力はフェラーリやメルセデスAMGには及ばないレベルであることが白日のもとにさらされることになった。
■スペインGPで投入される新スペックは1秒速い?
そして、レッドブルでは序盤の出遅れをばん回するために、現在イギリスのファクトリーで懸命に「Bスペック」とも言われる新型シャシーの製造に取り組んでおり、それがスペインGPで投入される予定となっている。
今季ここまでに2勝をあげ、現在ドライバーズランキングのトップに位置しているフェラーリのベッテルも、ライバル勢の反撃を警戒し、次のように語った。
「より多くの人材や資金を持つトップチームが一番改善を果たしてくるのは間違いないと思うよ」
うわさによれば、レッドブルがスペインで投入を計画している「Bスペック」マシンは、シミュレーターではこれまでより1周あたり1秒も速いタイムを実現したようだと言われている。
しかし、リカルドは「実際に運転してみないと、そんなことは信じられないと思うよ」と、そこまでの改善は難しいだろうというニュアンスのコメントを行っている。
■ルノーの改良PU投入は「無期延期」
実際のところ、いかにレッドブルのシャシーが改善されたとしても、次戦スペインGPや、その2レース後に行われる第7戦カナダGP(6月11日決勝)でレッドブルが圧倒的な速さを示すのは難しいだろうと考えられている。それは、タグ・ホイヤーのブランド名が与えられたルノー製パワーユニットの改良版投入が遅れることがほぼ確実だと見られているためだ。
当初遅くともカナダでは投入されることになるだろうと言われていたルノーの新スペックパワーユニットだが、信頼性の問題によりその投入が大きく遅れることになりそうだという。
ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』は、ルノーの新スペックユニットの投入は「無期限」で延期されたと報じている。