メルセデスの前モータースポーツ責任者ノルベルト・ハウグが、来月末に行われるインディ500への出走を決めたフェルナンド・アロンソとマクラーレンに対して疑問を呈した。
トト・ヴォルフに後任の座を譲るまで長年にわたってメルセデスのモータースポーツプログラムを率いていたハウグは、アロンソが2007年にマクラーレンでドライブした際にもワークスエンジンサプライヤーのリーダーとしてその活動を支援していた経緯がある。
■アロンソのインディ500挑戦はいい考えだとは思えない
今季もホンダパワーユニットのパフォーマンス不足による苦戦を強いられることになったアロンソとマクラーレンが伝統のF1モナコGPを欠場してまでインディ500への挑戦に踏み切ったマクラーレンとアロンソについて、ハウグは次のように語った。
「私の経験から言えば、自分たちが作った問題を新たなものを築くことによって直すことはできないものだ」
「経験もなしに、高速オーバルでインディカーデビューをするというのは最善の考えだとは思えない」
「確かに、昨年はルーキー(アレキサンダー・ロッシ)があそこ(インディ500)で勝ったし、アロンソが勝つ可能性もあるかもしれない。だが、それによって彼がこれまで以上にやる気に満ちてF1に戻ってくることができるだろうか? また後方で走るためにね」
「インディにとっては、アロンソが走るのは素晴らしいことだろう。だが、35歳でまったくオーバルの経験がないまま時速385kmで走るなんて、私にはそれが最善かつ最も安全で素晴らしいとりあわせだとは思えないよ」
■アロンソは2014年に判断ミスをした
マクラーレン首脳部は、アロンソは自分の闘争心の火を絶やさないようにするためにインディ500へ挑戦することが必要なのだと示唆している。だが、最近は来季以降もF1残留をほのめかすコメントをしているとはいえ、アロンソが今季限りでF1を去る可能性があると考えている者もいる。
こうしたうわさについて質問されたハウグは次のように答えた。
「私はそうは思わないね」
「アロンソは根っからのレーサーなんだ。だが、彼は間違った時に間違ったチームに所属したことがしばしばあった。今彼はマクラーレン・ホンダにいるが、以前所属していたフェラーリは勝っている」
アロンソが2010年から5年間所属したフェラーリを離脱して2015年にマクラーレン・ホンダへと移籍したことに言及したハウグは、次のように付け加えた。
「彼はミスを犯したよ」
ハウグの目には、今回のインディ500挑戦もアロンソが犯した新たなミスだと映っているようだ。