7度F1タイトルを獲得したミハエル・シューマッハの息子ミック・シューマッハが、F1昇格を考えるのはまだ早いと考えていることを明らかにした。
今年はヨーロッパF3選手権に挑戦することになっているミックは3月に18歳の誕生日を迎えた。
近年はF1にも若手ドライバーが増えてきており、今年もミックと同じ18歳のランス・ストロールがウィリアムズからF1デビューを飾っている。もちろん、今年3年目のF1シーズンを迎え大活躍している19歳のマックス・フェルスタッペンがF1にデビューしたのは今のミックよりも若い17歳のときだった。
年齢だけをとれば、偉大なF1チャンピオンを父に持つミックがすぐにF1にデビューしてもおかしくない状況だ。
■自分にはもっと成長する必要がある
だが、ミックはドイツのビジネス紙『Handelsblatt(ハンデルスブラット)』に次のように語った。
「彼らは早い段階でF1に昇格したけれど、僕はまだその準備はできていないよ」
実際のところ、2015年にドイツF4シリーズでフォーミュラカーレースへの挑戦を開始したミックは、2016年にドイツとイタリアでF4を戦ったものの、いずれもランキングは2位で終えている。
偉大なF1チャンピオンの息子ということで、ライバルドライバーたちに比べると格段に高い注目度のもとで一定の成績を収めてきている実績はあるのだが、ミックは次のように付け加えた。
「まだうまくやれていないんだ。多分、僕にはまだ一貫性が足りないんだと思う。だけど、もちろん今後2、3年のうちには勝つというのが僕の目標だよ」
■今年はF3ルーキーランキングのトップを狙う
とはいえ、今年挑戦するヨーロッパF3でタイトルを獲得するようなことになれば、一足飛びにF1昇格という可能性も十分に出てくるはずだ。
2016年にミックと同じプレマ・パワーチームからヨーロッパF3に参戦したストロールはそこでタイトルを獲得し、今年のF1デビューに大きなはずみをつけていた。
だが、ミックはF3参戦やその後のF1昇格に向けての抱負を尋ねられると、次のように答えるにとどまった。
「(ヨーロッパF3は)僕にとっては1年目だから学ぶことがまず重要だし、ルーキーランキングのトップに立てるよう頑張るつもりさ」
「今は自分のやるべきことをやるだけだよ。まだ自分がドライバーにふさわしいと証明しなくてはならないし、さらに改善しないとならないからね」
■今年はF3ルーキーランキングのトップを狙う
2015年に17歳のフェルスタッペンがF1デビューを飾ったことを機に、F1出走に必要なスーパーライセンス取得要件がかなり厳しくなったという経緯がある。だが、ヨーロッパF3でタイトルを獲得できれば、ライセンス取得のためのポイントをかなり稼ぐことができる。
今のところ「何も計画なんてないよ」と語ったミックだが、すでにかつて父親のミハエルが所属していたフェラーリやメルセデスAMGが自分に興味を示していることは認識している。
だが、ミックはそうしたチームが自分に興味を示しているのは、決して父親の七光的なものだけではないと次のように主張した。
「それは、すでに僕が何かをうまくやれているということだよ。僕は常にベストを尽くそうとしているし、最高のドライバーたちと戦いたいと思っている。そしてそういうドライバーたちはみんなF1にいるんだ」
■F1昇格に向けてメディア対応も勉強
普通の若手ドライバーたちと比べるとはるかに注目度が高いミックだが、今後に向けてそういうことにも慣れていくように努めるつもりだと次のように語った。
「それはこのスポーツの一部だからね。もっと後からではなく、今からそれに慣れておくほうがいいよ。この先は恐らく今の2倍は関心が高まるだろうからね」