今季のF1開幕戦オーストラリアGPでフェラーリのセバスチャン・ベッテルに優勝をさらわれたメルセデスAMGだが、チームを率いるトト・ヴォルフはそれをあまり重くとらえてはいないようだ。
今年はバルセロナで行われたシーズン前テストのときからフェラーリが好調ぶりを示していたが、実際にシーズンが開幕するとその最初のレースでフェラーリが表彰台の中央を確保するという展開となった。
だが、オーストラリアでも予選ではルイス・ハミルトンが乗るメルセデスAMGの2017型F1マシンが最速タイムを刻んでおり、2014年から3年連続でF1チャンピオンチームに輝いたメルセデスAMGが今季もタイトル獲得最有力候補だと考えている者も少なくない。
■メルセデスAMGにもまだ改善の余地はある
ヴォルフは、ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に次のように語った。
「現在の状況を大げさに考えるべきではないよ」
「クルマには競争力もあるし、多くのエリアにおいて我々がさらに改善していける部分もあるんだからね」
ヴォルフが示唆した改善可能エリアのひとつは、メルセデスAMGの2017年型車W08が抱える重量問題だと考えられている。
ヴォルフは次のように続けた。
「メルボルンでの結果は、我々にとってはちょっとした目覚まし時計のようなものだった」
「それは、もはや我々には独走できるような余地はなく、詳細なことすべてを完ぺきにしなくてはならないということを示したんだ。それによって我々の士気も上がっているよ」
■ライバルの出現によりワクワクするシーズンに
今後の反撃を期すメルセデスAMGだが、ヴォルフは今後もフェラーリと戦いを繰り広げることを楽しみにしていると次のように続けた。
「他者と戦うのは常にワクワクするものだよ。ライバルたちは我々とはかなり異なる強みや弱点を持っているからね」
「フェラーリには強いチームがあるし、いいシャシーとエンジンによるパッケージを開発した。セバスチャン(ベッテル)のパフォーマンスがそれを物語っている」
■今季のハミルトンはかつてないほど好調
ヴォルフはさらに、今季4度目のF1ドライバーズタイトル獲得を目指すルイス・ハミルトンが、チームの成功の大きなカギとなるだろうと次のように続けた。
「今のルイス・ハミルトンは、これまでにはお目にかかったことがないほど最高の状態だよ。彼はすごくやる気に満ちているし、そのパフォーマンスは信じられないほどだ」
「過去数年はチーム内の戦いというプレッシャーがあったが、ほかのチームと戦うのは新たな挑戦となるし、彼も歓迎しているよ」