かつてトヨタでも活躍した元F1ドライバーのヤルノ・トゥルーリが、同じイタリア出身の若手ドライバー、アントニオ・ジョビナッツィの今後の活躍を楽しみにしていると語った。
■6年ぶりに誕生したイタリア人F1ドライバー
2016年にGP2シリーズでランキング2位となり、今季フェラーリの控えドライバーに迎え入れられたジョビナッツィだが、メルボルンで行われたF1開幕戦オーストラリアGPで予期せぬ形でF1デビューを飾ることになった。
フェラーリからパワーユニット供給を受けているザウバーのパスカル・ウェーレインが、金曜日の2回のフリー走行を終えた時点で体調が不十分だとしてその後の出走を断念。急きょ土曜日の朝に連絡を受けたジョビナッツィがウェーレインの代役を務めることになったのだ。
イタリア人ドライバーがF1に出走するのは、トゥルーリ(ロータス)と、ビタントニオ・リウッツィ(HRT)が出走した2011年の最終戦ブラジルGP以来のことだった。
■デビュー戦で光ったジョビナッツィ
トゥルーリは、『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように語った。
「アントニオはオーストラリアで素晴らしい仕事をやってのけたよ」
「いいパフォーマンスを発揮することなど期待されていなかったんだ。まったく突然に代役を務めることになったんだからね」
「だが、彼は経験あるチームメートの(マーカス)エリクソンよりわずかコンマ1秒遅かっただけだ。そして、予選での最初の走行では彼(エリクソン)に勝ってさえいたんだ。あれには強烈な印象を受けたよ」
「レースでも彼は成熟したパフォーマンスを披露し、12位となったんだ」
■フルシーズン戦うジョビナッツィを見たいとトゥルーリ
その23歳のジョビナッツィは、ウェーレインの体調がまだ完全ではないということで今週末の中国GP(9日決勝)でもザウバーのドライバーを務めることになっている。そして、恐らくは来週末に行われるバーレーンGP(16日決勝)にも出走する可能性が高いだろうと考えられている。
トゥルーリは次のように付け加えた。
「これ(オーストラリアGP)は、有望なF1キャリアの始まりとなった。そして、彼にはいつか単にスポット参戦するだけでなく、フルシーズンを戦うチャンスが与えられることを期待しているよ」
■フェラーリ復活でエキサイティングなシーズンに
一方、トゥルーリは、母国イタリアの名門F1チームであるフェラーリが開幕戦で勝利を飾り、復活の兆しを示したことをうれしく思っていると次のように語った。
「僕は疑っていたんだ。冬(テスト)ではメルセデスAMGが手の内を隠していたんじゃないかとね。だけど、オーストラリアでは強いフェラーリに期待できそうだということが示された」
「フェラーリがまたレースで勝てるようになったというのはティフォシ(熱狂的フェラーリファン)にとってだけ重要なことだったわけじゃない。これでワクワクするようなF1選手権になるだろうと言えるよ」と42歳のトゥルーリは付け加えた。