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【WEC】トヨタ2017年レース車両解説『TS050 HYBRID』ル・マン24時間優勝へ性能向上

2017年04月01日(土)5:32 am

TOYOTA GAZOO Racingは、2017年のFIA世界耐久選手権(WEC)を戦う、全面改良した『TS050 HYBRID』を発表した。

■2017年エンジン仕様

2017年仕様の『TS050 HYBRID』は改良設計された『2.4リッターV6ツインターボ過給ガソリンエンジン』に、『8MJ対応のハイブリッド・システム』を組み合わせ、総システム出力は1,000馬力を誇る。

■新型エンジンは熱効率の向上

東富士研究所によって開発された新型エンジンは、最適化された燃焼室に伴い、シリンダーブロック、シリンダーヘッドなどの主要部品を全面改良し、圧縮比が高められ、更なる熱効率の向上が図られている。

■ターボの改善

加えて、ターボチャージャーのサイズ見直しと共にインペラ形状が改良され、応答性と過渡特性の改善によってターボラグは減少。また、インタークーラーは、熱効率の改良により、高温域での性能が向上された。

■ハイブリッドも全面改良

ハイブリッド・システムもまた全面改良された。モーター/ジェネレーターユニット(MGU)は更に小型化され、改良された高出力型リチウムイオン・バッテリーと共に軽量化にも貢献している。

■ハイブリッド技術は市販車にもフィードバック

こうして進化した高度なハイブリッド技術は、市販車にフィードバックされ、一般のユーザーへ展開されると共に、将来にわたっての「もっといいクルマづくり」に繋げられる。

■シャシーの改善点とは?

更に、競争力向上を果たすべく、今シーズンのTS050 HYBRIDのシャシーの対しても、トヨタ東富士研究所とTMGの技術陣は、多岐にわたる改善を行った。

今年、変更されたレギュレーションの目的は、安全性向上のための速度抑制にあり、空力効果を制限することで、ル・マンでの数秒のラップタイムダウンを目指している。

具体的には車両フロントの空力部品(スプリッター)の高さを15mm上げると共に、リアのディフューザー幅が大幅に狭められた。

■空力の見直し

コンピュータによる計算流体力学(CFD)と風洞試験により、TOYOTA GAZOO Racingは『TS050 HYBRID』の空力的コンセプトを見直すことで、性能改善するという難題に挑んだ。『高くなったフロントノーズ』と『特徴的なサイドポンツーン形状』などが主な改良点である。

■主要諸元

シャシー
型式 LMP1-H (ル・マン プロトタイプ – ハイブリッド)
ボディワーク カーボンファイバー構造
ウィンドスクリーン ポリカーボネイト製
アンチロールバー フロント&リア
全長 4650mm
全幅 1900mm
全高 1050mm
サスペンション 独立懸架ダブルウイッシュボーン(前/後)、プッシュロッドシステム
スプリング トーションバー
アンチロールバー 前/後
ステアリング 油圧式パワーステアリング
エンジン
パワートレーン トヨタハイブリッドシステム・レーシング(THS-R)
エンジン V型6気筒直噴ツインターボチャージャー
エンジン排気量 2.4リッター
バルブ数 4/シリンダー
燃料 ガソリン
燃料積載量 62.5リッター
潤滑剤 Mobil 1(モービル1)
エンジン出力 367kW/500PS
ハイブリッドパワー 前輪モーター+後輪モーター:367kW/500PS
パワーユニット最高出力 735kW/1000PS(エンジン+ハイブリッドモーター)
蓄電装置 トヨタが開発したハイパワー型リチウムイオン電池
前輪ハイブリッドモーター AISIN AW(アイシンAW製)
後輪ハイブリッドモーター DENSO(デンソー製)
インバータ DENSO(デンソー製)
タイヤ
タイヤ ミシュラン ラジアルタイヤ
フロントタイヤ 31/71-18
リアタイヤ 31/71-18
ホイール RAYS(レイズ製)マグネシウム鍛造ホイール
フロントホイール 13 x 18インチ
リアホイール 13 x 18インチ
ブレーキ
ブレーキディスク ベンチレーテッド・カーボンディスク(前/後)
ブレーキキャリパー 系統油圧式ブレーキシステム、Akebono(アケボノ製)モノブロック軽合金キャリパー(前/後)
トランスミッション
ギアボックス 横置きシーケンシャル7速
ギヤボックスケーシング ケーシングアルミニウム製
ドライブシャフト CVジョイント式ドライブシャフト
クラッチ マルチディスク
ディファレンシャル ヴィスカス機械ロック式
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