フェラーリのライコネン後任候補、イタリアの新人ジョビナッツィ急浮上

2017年03月29日（水）5:57 am

かつてフェラーリのチーム代表を務めていたチェーザレ・フィオリオが、今季フェラーリの控えドライバーとなったアントニオ・ジョビナッツィを2018年にはキミ・ライコネンの後任ドライバーに据えるべきだと主張した。

■思わぬ形でF1デビューを果たしたジョビナッツィ

イタリア出身の23歳となるジョビナッツィだが、ザウバーのパスカル・ウェーレインがまだレースを戦うには体調不十分だとして、急きょ土曜日からその代役としてメルボルンで行われた今季のF1開幕戦オーストラリアGPに登場。翌日行われた決勝で思わぬ形でF1デビューを飾ることになった。

バルセロナで行われた1回目のシーズン前テストにも、やはりウェーレインの代役としてフェラーリパワーユニットを搭載するザウバーC36のステアリングを握っていたジョビナッツィだが、まさか突然メルボルンでF1デビューのチャンスが巡ってくるとは思っていなかったようだ。

しかし、予選では惜しくもQ1突破はならなかったものの16番グリッドを確保。決勝でも見事に12位完走を果たしている。

昨年のGP2シリーズをランキング2位で終えたジョビナッツィだが、急きょ出走したオーストラリアGPでの走りはメディアからも高く評価されており、母国イタリアではメルセデスAMGでの初レースで3位表彰台に上ったバルテリ・ボッタスに匹敵する点数を付けたメディアもあるようだ。

■ジョビナッツィの才能は確かだとフィオリオ

「アントニオがメルボルンでやったことはものすごいことだったんだ。土曜日の朝目覚めたら、ザウバーのドライバーの代役を務めることになったんだからね」

イタリアのラジオ局『RAI』にそう語ったフィオリオは、次のように付け加えた。

「私は彼のことを4、5年見てきたが、イタリアでは最高の人材だしF1でも十分にやっていけるよ。フェラーリが彼を契約下に置いたのはよかったし、フェラーリが彼にチャンスを与えることを期待している」

■2018年はライコネンに代えてジョビナッツィを起用すべき

フィオリオは、フェラーリはすでに37歳となったライコネンに代えて、2018年にはジョビナッツィをセバスチャン・ベッテルのチームメートに据えるべきだと主張している。

「彼（ライコネン）は、アロンソとの最後のシーズンやベッテルとの最初のシーズンは恥ずかしい結果に終わってしまった。昨年はベッテルとともにばん回して見せたがね」

そう語ったフィオリオは、次のように付け加えた。

「だが、今シーズンの終わりには彼は38歳か39歳のドライバーとなってしまう。もうフェラーリでの冒険は終わりにすべきころだと私は思うよ」

2011年のヤルノ・トゥルーリ（ロータス）とヴィタントニオ・リウッツィ（HRT）以後、F1にはイタリア人ドライバーがひとりもいなくなっている。それだけに、イタリア国内では名門フェラーリからイタリア人ドライバーが出走することに大きな期待が寄せられているようだ。