2017年のインディカー・シリーズがフロリダ州にあるセント・ピーターズバーグで開幕し、Honda陣営のセバスチャン・ブルデー(Dale Coyne Racing)が勝利を飾った。
●【動画】0.0528秒差・・・佐藤琢磨、最終ラップの最終コーナー立ち上がりでチームメートと加速勝負
■予選
予選ではアクシデントを起こしてしまったブルデーだったが、マシンのセッティングは非常に高いレベルまで到達させていた。彼らがレースで採用した作戦も見事なもので、最後尾グリッドからのスタートでありながら、1度目のピットタイミングが絶妙で、トップグループが揃ってピットストップに向かったことによって2番手まで浮上することに成功した。
ブルデーは37周目にトップに躍り出て、そこから先はライバル勢につけ入るすきをいっさい与えることなく、10秒もの大差をつけて今シーズン初勝利、キャリア36勝目を挙げた。2011年シーズンをともに戦ったチームへ復帰したブルデーは、同時にHondaファミリーへの復帰も果たし、その最初のレースですばらしい優勝を最後尾グリッドから成し遂げた。
最後尾スタートから優勝したセバスチャン・ブルデー
■チップガナッシもホンダ陣営に復帰
4台体制を敷くChip Ganassi Racingも今シーズンからHonda陣営に復帰。インディカー・チャンピオンに4度輝いているスコット・ディクソンは、予選で2番手を獲得し、レースでも確実な走りを続けて3位でフィニッシュ、表彰台に登った。
チャンピオンに4度輝いているスコット・ディクソン
■佐藤琢磨は5位
4、5位でフィニッシュしたのはAndretti Autosportのライアン・ハンターレイと佐藤琢磨だった。ハンターレイはスタート直後にピットストップを行って最後尾までポジションを下げたが、目覚しい走りでライバルたちを次々とパスし、最終ラップにはチームメートの佐藤琢磨をかわして4位を獲得した。
佐藤はAndretti Autosportでの初レースで予選5番手という結果を掴み、レースでもトップ3を狙えるだけのスピードと安定感のある走りを披露し、5位というリザルトを残した。
スピードと安定感のある走りを披露した佐藤琢磨
Hondaドライバー4人がトップ5でのゴールを達成。トップ10には実に7人のHondaドライバーが入った。
■優勝:セバスチャン・ブルデー「ミスした時はどうしていいか分からなくなった」
「セント・ピーターズバーグでのレースというのは、後方スタートの不利を跳ね返すのがシリーズ中で最も難しいレースです。コース上でのオーバーテイクは至難ですから。
マシンの調子は上々と感じていたのですが、昨日の土曜日の予選中に私がミスを冒し、大きなチャンスをふいにしてしまいました。もう、どうしていいのかが分からなくなってしまったほどでした。
その厳しい状況から今日をここまですばらしい一日へと変えられたことに対して、チームのスタッフやクルーに感謝の言葉を伝えたいです。Dale Coyne Racingに復帰し、以前にともに戦った人々との最初のレースを走り、優勝できたことに感激しています。復活を果たした私たちのメンバーは、今日と同じような成績を何度も獲得することになるかもしれません」。
セバスチャン・ブルデー「優勝できたことに感激」
■5位:佐藤琢磨「望み得る最良の結果」
「チームのスタッフ全員が本当にすばらしい仕事をしてくれました。新しいシーズンの開幕戦で、僕は史上最も厳しい状況に置かれました。大変難しい週末となっていましたが、チームメートたちとエンジニアたちが助けてくれました。
僕たちはそうした状況下で、予選でも決勝でも望み得る最良の結果を手にすることができたと思います。その点にとても満足しています。大変なレースでしたが、私たちAndretti Autosportは4、5位でのゴールを達成しました。これはファンタスティックだと喜んでいい結果です。
今日のレースは僕にとっては移籍したばかりのチームでの初めての戦いでしたから、こうして予選5番手、決勝5位という結果を残すことができ、とてもよかったと思います」。
佐藤琢磨「ファンタスティックだ」
今シーズンの第2戦はアメリカ大陸を横断し、4月9日(日)にカリフォルニア州ロングビーチで決勝レースが開催される。
●【動画】0.0528秒差・・・佐藤琢磨、最終ラップの最終コーナー立ち上がりでチームメートと加速勝負