3月11日(土)、2017年FIA世界ラリー選手権(WRC)第3戦ラリー・メキシコの競技3日目デイ3がレオンを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing WRTのヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)は、前日よりもふたつ順位を上げ総合6位に浮上した。また、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(ヤリスWRC #11号車)は、ラトバラとわずか0.3秒差の総合7位で長い1日を走りきった。
●【WRC順位・画像】トヨタ、前日発生した温度上昇の問題を解決/ラリー・メキシコ デイ3
■前日はエンジン温度上昇の問題に苦しむ
前日のデイ2は気温が高かったため、ヤリスWRCを含む多くのクルマのエンジンに温度上昇の問題が発生した。TOYOTA GAZOO Racing WRTのエンジニアは問題の原因を探り、デイ3に向けてエンジンのマッピングを変更するなど入念な対策を実施し、問題を解決した。
■ラリー・メキシコの大きな問題は「暑さ」と「薄い空気」
ラリー・メキシコは毎年、「暑さ」と「薄い空気」が大きな問題となる。ラリーの中心となるレオンの気温は、3月でも30度前後に到達するため、エンジンと、ブレーキに特に厳しいラリーとして知られている。
■エンジンパワーが上がり、冷却厳しく
今年からWRカーのレギュレーションが変更され、エンジンの出力が従来よりも大幅に上がったため、冷却はさらに厳しくなった。
■薄い空気によりエンジンパワーは25%ダウン
また、メキシコはWRCの中でもっとも標高が高いエリアが舞台となり、SSの最高地点は2,700mを超える。高地では空気中の酸素量が減るため、エンジンは20~25%程度のパワーダウンを余儀なくされる。エンジン・エンジニアにとって、メキシコはもっとも難しく、そして挑戦のしがいがあるラリーなのである。
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