ポルシェ ジャパン(七五三木敏幸 代表取締役社長)は2月28日(火)、東急プラザ銀座キリコラウンジにてニューパナメーラを発表した。
新世代のPCM(ポルシェ・コミュニケーション・マネージメント)の日本デビュー、近い将来の自動運転とスポーツカーの関係などについて七五三木社長は次のように述べた。
■七五三木敏幸 ポルシェ ジャパン代表取締役社長
「1900年のパリ万博において発表されたフェルディナンド・ポルシェによる史上初のハイブリッドカー、ローナーポルシェを初めとして、ポルシェが技術革新に対して常に前向きであることは認めていただけることと思います」
■2009年、初代パナメーラ発表
「2009年、ポルシェが新時代のグランツーリスモとして世に問うたのが初代パナメーラでした。初代パナメーラにはデュアルクラッチトランスミッション、オートマチックトランスミッションとの組み合わせでは初となるオートスタート/ストップ機能、オンデマンド制御によって空気の量を調節できるようにしたアクティブ・エアサスペンション、アクティブ・エアロダイナミクスを実現するマルチステージ式の可変リアスポイラーなど、ラグジュアリー・パフォーマンスクラスの市販モデルとして初となる数々の革新的な技術が導入されました」
■ニューパナメーラ、新世代PCMとともにデビュー
「このニューパナメーラにも多くの新機構が取り入れられています。その技術的ハイライトのひとつが、新世代のPCM(ポルシェ・コミュニケーション・マネージメント)です。PCMは、直感的に操作可能なマルチタッチコントロールを採用するなど、日本でも多くのユーザーから高い評価を頂いております。
新世代PCMはこのニューパナメーラと共に日本デビューを果たしますが、我々ポルシェ ジャパンでは更なる付加価値向上のために日本独自の機能も準備してきました。今日の自動車産業とそれを取り巻く環境は、我々が想像する以上の速度でダイナミックに進化を続けています」
■自動運転とドライビング
「そして自動車のデジタライゼーションにおいて最も注目を集めている技術である自動運転についても、ポルシェは独自に研究を重ねています。運転という行為とポルシェは決して切り離すことができません。なぜなら、ドライビングという行為は“スポーツカー文化”の核であるからです。
しかし、だからといって自動運転を全否定するほど我々は盲目的ではありません。コネクティビティ、スマート・モビリティ、そして将来の自動運転を視野にとらえた運転支援システムの分野において、ポルシェと世界中の革新的技術を持つ人たちとのインターフェイスとなる企業がポルシェデジタルであり、その他シリコンバレーや中国にも子会社を設立し、ベンチャーキャピタルや新興企業への投資を通じて、新しいテクノロジーへの対応を進めています」
■日本では輸入車トップ10に
「2009年には年間販売3200台あまりだった日本におけるポルシェの存在は、この7年間順調に伸び続け、外国メーカー車の輸入車としては例年トップ10に食い込むようになって参りました。世界的に見ても2008年の金融危機以降、ポルシェは世界中で販売台数を伸ばしてきました。その立役者は新興国のマーケットであり、またカイエン、マカン、そしてパナメーラといった4ドアスポーツカーです。ここへニューパナメーラが加わることで、我々のビジネスはより強固なものになります。我々は順調に業績が伸びている今だからこそ、いたずらに販売台数を追い求めるのではなく、ディーラーネットワークの整備など、日本におけるビジネス環境を今一度見直し、顧客満足度の向上を第一義に活動を進めております」
■Dr. Stefan Utsch ポルシェAGパナメーラ製品ラインセールス&マーケティング担当ディレクター
■以前のモデルから引き継いだのは3つだけ
「一新されたパナメーラは、全面的な最適化が行われ、新しいエンジン、トランスミッション、アシスタンスシステムを搭載し、性能値も向上しクラス最高を実現しました。以前のモデルから引き継いだものは、3つだけです。ラグジュアリーセダンにおける『スポーツカー』というコンセプト、車名である『パナメーラ』、そしてポルシェの『エンブレム』です」
「ニューパナメーラは相反する2つの特性をかつてないほど兼ね備えています。サーキットでのダイナミックな走行に完璧にマッチしていながら、長距離走行での快適性にも優れ、ビジネスミーティングにもリラックスしたまま到着することができます。魅力あふれるデザインと日常的な機能を合わせ持ち、パワフルですが同時に燃料効率にも優れています」
「ニューパナメーラはこれまでの次元を超えたデジタル化を取り入れていますが、同時にポルシェ独自の運転哲学にも忠実です。新しいパナメーラはさらにダイナミックなプロポーションとなり、デザインが一新されているのが特徴です。この新世代のデザインにはすべてのアングルにポルシェのDNAが生きており、一目見た瞬間にポルシェだとはっきりわかります」
「新しいフロントエンドのデザインで特徴的なのは、新たに追加されたアクセントラインです。パナメーラの全幅はたった6ミリ広がっただけですが、矢形のボンネット、ラジエーターグリルのクロスバー、A字形エアインテイクにより数センチも大きくなったような感じがします。この力強い外観を一層魅力的なものにしているのがひときわ目を惹く4灯のLEDデイタイムランニングライトです」
「前モデルから引き継いだものは3つしかありませんが、そのひとつがラグジュアリーセダンセグメントにおけるスポーツカーというコンセプトです。大人4人がゆったりと過ごせるスペースが確保されています。背の高い人が、たとえリアシートに座っても快適です。ニューパナメーラは全長5m超、全幅1.9m超、全高1.4m超で、ホイールベースは30mm延長され2.95mになりました。 日常の利便性を向上させるため、ラゲッジコンパートメントの容量を500リッターに増やしました。さらに、40:20:40分割可倒式リアベンチバックレストの導入により、ラゲッジ容量を最大1,304リッターまで増加させることができます」
「デザインはスポーティーさに溢れていますが、エンジンからも、その排気量、パワー、トルクからスポーティーさを感じていただけます。エンジンユニットは、全く新たに開発され、どちらのエンジンもレスポンスと吹け上がりの良さに重点が置かれています。ニューパナメーラターボに搭載された550hp、770Nm を誇る新型V8ツインターボエンジンは最大出力時には、4.0リッター V8ツインターボエンジンを搭載したパナメーラターボは0から100km/hまでわずか3.8秒で加速し、スポーツクロノ仕様車では、加速時間はさらに短い3.6秒です。燃料消費を抑えるため、このエンジンは走行中および減速時に気筒休止のほか、高度なスタートストップ機能を使用して、減速時や停車時にエンジンを停止させます。こうした変更によって、ポルシェはV8エンジンへの熱い思いを犠牲にすることなく、燃料効率の目標を達成しました」
「さらに、ニュー パナメーラのモデルすべてに新型ポルシェ・ドッペルクップルング(PDK)が搭載されており、標準装備の4輪駆動指定ステムとともに広範囲に制御を行い、8速変速を実現しています。この新型トランスミッションによって、シフトチェンジはこれまでに経験したことのない快適なものになります。そしてレスポンスタイムも短縮されています。さらに、このトランスミッションによって効率が大きく向上します。パワーロスが以前のPDK比で28%改善されています。
パナメーラは真のスポーツカーのドライビングダイナミクスと最高の乗り心地を提供します。
パナメーラにはポルシェ独自のデザインDNAが注入されていますが、4人がゆったり過ごせる広々とした空間も備えられています。ニュー パナメーラはパワフルかつ高い燃料効率を誇ります。ニュー パナメーラに匹敵する車はラグジュアリーセダンのセグメントには存在しません」
■クレーンで搬入の様子
また、この発表会場となった東急プラザ銀座6Fキリコラウンジへは、深夜にクレーンで吊り上げて搬入したという。
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