かつてベネトンとルノーでチーム代表を務めていたフラビオ・ブリアトーレが、今後もF1運営にかかわるつもりはないと語った。
F1の新オーナーとなったリバティ・メディアは、バーニー・エクレストンの後任としてF1最高責任者にチェイス・キャリーを据えるとともに、そのサポート役としてロス・ブラウンをモータースポーツ・マネジメントディレクターに登用している。
ブラウンは、ベネトンやフェラーリで活躍したベテランエンジニアであり、2009年には自らのチーム、ブラウンGPでF1タイトルを獲得。2010年にそのチームをメルセデスに売却したものの、2013年まで同チームの代表を務めていた。
■コンサルタントに興味なし
リバティ・メディアが、モータースポーツ経験のないキャリーを補佐させるためにブラウンを新F1運営首脳部に招き入れたのは明らかだ。そして、ベネトン時代にブラウンのボスであったブリアトーレも、新時代を迎えたF1にコンサルタントとして関与することに興味を抱いているのではないかとうわさされていた。
だが、ブリアトーレはイタリアの『Sky Sports 24(スカイ・スポーツ24)』に対し、次のように語った。
「コンサルタント?」
「私は誰かほかの人のために働くことはできないんだ。いずれにしても、コンサルタントというのは、私にとってはあまり興味のない言葉のひとつだね」
■ドライバーが中心にいるべき
そう語ったブリアトーレだが、今後F1を改善していくためにはどういうことが必要なのかということに関しては、自分なりの考えを持っているようだ。
「私は、再びドライバーを中心に置くためにFOTAを作ったんだ」
FOTA (Formula One Teams Association)とは、かつてF1の発展を目的にFIA(国際自動車連盟)、およびFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント/F1商業権管理会社)との協力の下、レギュレーションや商業契約に関して話し合いを行う組織として設けられたものだ。だが、その後各チームの足並みがそろわなくなり、2014年2月に正式に解散している。
「私は2、3日前に(ステファノ)ドメニカリと話をしたよ」
フェラーリの元チーム代表であり、現在はランボルギーニの責任者を務めるドメニカリの名前をあげたブリアトーレは、次のように続けた。
「テレビを見ている者たちは、そのエンジンで月まで行けるかどうかなんて気にしていないよ。彼らが望んでいるのはほぼ同等のパフォーマンスのクルマで戦うドライバーたちなんだ」
「私はロス・ブラウンと8年間一緒に仕事をした。まだF1がグラディエーター(剣闘士)のためのスポーツだったころだ。彼は動くリアウイング(DRS)を廃止したいと考えているようだし、私もそれには同じ意見だよ」
「彼がいろんなことを変えられるかどうか様子を見よう」
■フェルスタッペンは素晴らしい逸材
そう語ったブリアトーレだが、現在のF1には今後に向けて明るい点もいくつかあるとし、そのひとつがマックス・フェルスタッペン(レッドブル)だと次のように付け加えた。
「彼がブラジル(2016年のF1第20戦)でやってみせたことからすれば、彼にはもう少しいいクルマを得る資格があるだろうね。そして彼はF1チャンピオンになるだろう。若いときの(アイルトン)セナでさえこれほどではなかったよ」