引退した2016年のF1チャンピオン、ニコ・ロズベルグの後任として今季メルセデスAMGに移籍したバルテリ・ボッタスだが、チームやクルマに慣れるためにのんびりと時間をかけてなどはいられない状況のようだ。
■ボッタスに期待しているとラウダ
これまでウィリアムズ一筋でF1キャリアを歩んできたボッタスにとって、メルセデスAMG移籍が大きな挑戦となることは確かだろう。だが、メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダは、ボッタスにはすぐにロズベルグ並みのパフォーマンスが求められると主張している。
「私は、彼が期待通りのパフォーマンスを発揮できるだろうと思っているよ」
現役時代には3度F1王座についた伝説的元F1ドライバーでもあるラウダは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にそう語ると次のように続けた。
「彼はいいスタートを切ることができるよ。フィンランド人は基本的にいいドライバーだからね。だが、彼は落ち着くまでにそれほど時間はかけられない」
■ボッタスには有利な面もある
そう述べたラウダは、ボッタスにとっては有利な条件もあると次のように続けた。
「彼にとっても我々にとってもすべてが新しいものとなる。だが、ボッタスには有利な点が2つあるよ。彼はトップチームに加わるんだ。それによって自分のやるべきことを見つけやすくなるはずだ」
「それに、今年はまったく新しいクルマになるし、それはルイス(ハミルトン)にとっても同じだ。だから2人とも自分たちに合うようにクルマのセットアップ作業に取り組むことができるからね」
■開幕4レースが最初のハードル
だが、間もなく68歳となるラウダは、ボッタスは決して安心できる立場ではないと次のように続けた。
「私は、彼がどういう危機を抱えているかということが分かるだけの知性は持ち合わせているだろうと思っているよ」
すでに報じられている通り、ボッタスとメルセデスAMGとの契約は2017年シーズン1年だけのものとなっている。セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)やフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)などのトップドライバーの契約が今年までとなっているため、2018年には多くのドライバーたちがメルセデスAMGのシート獲得に動く可能性もある。ボッタスが2018年以後もメルセデスAMGに残留するためには、それなりの結果を示していく必要があるのだ。
メルセデスAMGとしては、どういったタイミングでボッタスの評価を行っていくことになるのかと質問されたラウダは、次のように答えた。
「4レースもすれば、よく分かってくるだろうね」