メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターを務めるトト・ヴォルフが、F1は現在のハイブリッド式パワーユニットの使用をやめるべきではないと主張した。
■パワーユニットがF1の魅力を損ねた?
2014年に、それまでの自然吸気エンジンからターボエンジンとERS(エネルギー回生システム)が組み合わされた現行のパワーユニットが導入された。
だが、それによって耳をつんざくようなF1エンジン音が消えたことに加え、使用燃料量の厳格化といった複雑なルールが導入されたことにより、ファンの目にはF1の魅力が薄れてしまったと映っているようだ。
■ロス・ブラウンもエンジンの見直しを示唆
実際、その2014年以降、高性能パワーユニットを持つメルセデスAMGが圧倒的な力でF1を制しており、それもファン離れの原因のひとつだと言われている。
こうした状況を憂慮する声も少なくないが、最近F1のモータースポーツ担当マネジングディレクターに就任したロス・ブラウンも2020年までに次のF1エンジンをどうするかということを検討すべきだと認めている。
■今後もハイブリッドで行くべきだとヴォルフ
だが、ヴォルフは、『Frankfurter Allgemeine Zeitung(フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング)』紙に次のように語った。
「我々は、このハイブリッドエンジンからさらにパワーを引き出すためにはどうすればいいかということを検討すべきなんだ」
「F1は世界最速の実験室だし、我々はそれを放棄してはならないよ」
F1関係者の中には、F1は大音響を発生する自然吸気エンジンに戻すべきだとの意見を持つ者もいる。だが、ヴォルフは、「10年か15年後には100%電気自動車化される」ことが想像できる現在において、F1を自然吸気エンジンに戻すというのは間違った考えだと主張している。