メルセデスAMGのモータースポーツアドバイザーであり、ドライバー育成責任者を務めるヘルムート・マルコが、もし自分がメルセデスAMGにいたならば育成ドライバーのパスカル・ウェーレインを昇格させていただろうと語った。
2016年にF1チャンピオンの座を手に入れたニコ・ロズベルグが突然F1引退を表明したことにより、メルセデスAMGでは急きょ2017年にルイス・ハミルトンのチームメートを務めるドライバーを探す必要に迫られていた。
当然、メルセデス所属ドライバーであり、2016年にマノーからF1デビューを飾ったウェーレインも有力候補だろうと考えられていた。だが、メルセデスAMGは最終的にウィリアムズからバルテリ・ボッタスを獲得。ウェーレインは2017年シーズンにはザウバーで走ることが決まっている。
■リスクをとらなければ楽しみもないとマルコ
だが、マルコは、「我々(レッドブル)なら、違うやり方をしていただろうね」と『Motorsport-Magazine.com』に語り、次のように付け加えた。
「我々なら若手を訓練しただろう。リスクを冒さなければ面白みもないよ」
だが、メルセデスAMGがボッタスを獲得したのは賢明だったと考えている者たちもいる。ボッタスは昨年までのロズベルグとは違い、明確なナンバー2ドライバーとしての位置づけられることになるだろうというのがそうした者たちの見方のようだ。
経験があり、技術にも定評があるボッタスがナンバー2としてハミルトンを補佐する立場に徹すれば、2017年もライバルチームたちがメルセデスAMGに付け入るチャンスはあまりないかもしれない。
■レッドブルには一切のチームオーダーなし
一方、2016年にはメルセデスAMGに次ぐコンストラクターズランキング2位に浮上したレッドブルだが、ダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペンは2017年にはメルセデスAMGの牙城を切り崩す活躍を見せるのではないかと期待されている。
だが、その一方でリカルドとフェルスタッペンがお互いにポイントを奪い合う形となるのではないかと懸念する声もある。
「その危険は十分にあるね」と認めたマルコは、「だが、それによって我々のレース哲学や情熱が変わることは決してないよ」と付け加え、次のように続けた。
「我々のところにはチームオーダーなどないんだ。我々は根っからのレーサーだからね」