メルセデスAMGは10日(火)、これまで技術担当エグゼクティブディレクターを務めていたパディ・ロウのチーム離脱が決定したことを明らかにした。
ロウは実際にはメルセデスとの間に今年5月までの契約を結んでいることから、その契約が満了日を迎えるまでは俗に「ガーデニング休暇」と呼ばれる休職期間を過ごすことになる。
■ウィリアムズはいまだコメントせず
だが、うわさによれば、ロウはウィリアムズへ移籍することになると見られている。そして、2016年シーズン終了後に突然引退を発表したニコ・ロズベルグの後任としてウィリアムズからバルテリ・ボッタスを引き抜きたいと考えているメルセデスAMGでは、ボッタスの契約譲渡の見返りとしてロウが早期にウィリアムズで業務を開始するのを認めるのではないかとも言われている。
ウィリアムズでは、これまで技術トップの座にあったパット・シモンズが昨年限りで引退しており、ロウが技術トップとして加入することに何の問題もないはずだ。
だが、最近のうわさによれば、ロウは技術トップではなく、ウィリアムズのチーム代表として迎えられるのではないかとも言われている。
さらに、ウィリアムズに関しては、ロウをチーム代表に据えた後、2018年には現在トロロッソのテクニカルディレクターを務めているジェームス・キーを新たな技術トップとして獲得するのではないかとのうわさもささやかれている。
こうしたうわさに関して問い合わせを受けたウィリアムズだが、現時点ではいまだ何の回答も行っていない。
■ロウの後任はアリソンか?
一方、ロウの離脱を発表したメルセデスAMGだが、その後任には2016年シーズン途中でフェラーリを離脱したジェームス・アリソンが加入するのではないかともうわさされている。
だが、メルセデスAMGの事実上のチーム代表であるトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)は、ロウ離脱を明らかにした声明の中で「短期的には我々の技術体制は安定している」と述べ、次のように付け加えている。
「我々には近年の成功を継続していくためにふさわしい人材がそろっている。そして、それをベースに2017年およびそれ以降に向けての計画を立てている」
メルセデスAMGはその声明を、「詳細は追ってお知らせする」と結んでいる。
ともあれ、メルセデスAMGがロウの離脱を正式に発表したことで、今後ロウのウィリアムズ加入、ボッタスのメルセデスAMG移籍、そして2016年限りでのF1引退を表明していたフェリペ・マッサがそれを撤回してもう1年ウィリアムズで現役を続けるという一連のストーリーが近々正式に発表されるのではないかと受け止めている者も多いようだ。