メルセデスAMGが、突然の引退を発表したニコ・ロズベルグの後任として、ウィリアムズに対してバルテリ・ボッタスの契約を買い取りたいと申し出たようだと報じられている。だが、現時点ではウィリアムズはこのうわさに対して何もコメントを行っていない。
■ロズベルグの後任選定に苦慮するメルセデスAMG
2016年のF1チャンピオンとなったロズベルグだが、タイトル獲得後5日目に今季限りでのF1引退を表明。メルセデスAMGは急きょ2017年にルイス・ハミルトンのチームメートとなるドライバーを探さなくてはならない状況となった。
当初、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)やセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)もその候補に取りざたされたが、両者ともにメルセデスAMGへの移籍を否定。そして、メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフがマネジメントに関与しているボッタスがロズベルグ後任の有力候補のひとりだとみなされている。
■ウィリアムズがメルセデスAMGからの申し出を拒否?
イギリスの『Sun(サン)』は、メルセデスAMGではウィリアムズに対し、ボッタスの移籍に応じればメルセデスがウィリアムズに供給するパワーユニットの料金を半額に値下げすると申し出たものの、ウィリアムズ側がこの「最初の申し出」を断ったと報じている。
だが、ウィリアムズが経験豊かなドライバーであるボッタスを手放すことはないだろうと見ている者もいる。
元F1ドライバーであり、現在はF1解説者を務めるマルク・スレールは次のように語った。
「ボッタスを失えば、ウィリアムズにとっては悲惨なことになるだろう」
「ウィリアムズはすでにランス・ストロールと契約をすることでチームの財政を確保するという妥協策をとってしまったんだからね」
■ボッタス放出はウィリアムズにとって大打撃
事実、ウィリアムズでは来季、2016年のヨーロッパF3チャンピオンとなったストロールというルーキードライバーをボッタスのチームメートに据えることをすでに決定している。ストロールの父親は世界的なファッションブランドを展開するカナダの大富豪であり、ウィリアムズに多額の資金を持ち込むことになると考えられている。
2017年にはF1カーのシャシーやタイヤのレギュレーションが大きく変わることもあり、ウィリアムズで4年のF1レースドライバー経験を持つボッタスを失うことは、そうした背景からも非常に厳しい状況となるのは確かだろう。
イギリスの『Daily Mail(デイリー・メール)』が今回のうわさについて尋ねたところ、ウィリアムズはコメントを行おうとはしなかったという。
■いまだに消えないアロンソ移籍のうわさ
もうひとり、メルセデスAMGが目をつけていると報じられているのがトロロッソのカルロス・サインツだ。だが、スペインの『AS』は、「我々が得た情報によれば、レッドブルは彼を手放すことは考えていないようだ」と報じている。
そんな中、かつてF1チームオーナーであったジャン・カルロ・ミナルディは自身のウェブサイトに次のように書いている。
「彼のマネジャーが否定したとはいえ、私はやはりフェルナンド・アロンソが(メルセデスAMG移籍の)ポールポジションにいると見ているよ」