欧州はEV時代へ加速 VW・ポルシェ・アウディ、BMW、ダイムラー、フォードが先例のない提携へ

2016年12月02日(金)8:06 am

ポルシェおよびアウディを含むフォルクスワーゲングループが、BMWグループ、ダイムラーAG、フォード・モーター・カンパニーとヨーロッパの主要幹線道路に超高速高出力充電設備設置のための合弁事業を計画すると発表した。

■【ポイント】

1)【合弁事業設立】欧州の長距離走行道路を対象にバッテリー式電動輸送機器(BEV)のための高出力DC充電ネットワークを展開する合弁事業設立

2)【充電時間を大幅に短縮】現在のシステムに比べて350kWの出力レベルでの充電時間を大幅に短縮

3)【初年度400ヶ所】欧州で計画される約400ヶ所の超高速充電施設の構築

4)【規格に対応】最新および次世代BEVに完全に対応するコネクターを使用したコンバインド・チャージング・システム(CCS)に基づくネットワーク

5)【複数社でインフラ設備】自動車メーカーの先例のない提携によってブランドから独立した充電インフラのためのネットワークを新設

■複数の自動車メーカーが先例のない提携、EVインフラ設備急ぐ

ポルシェAGおよびアウディを含むフォルクスワーゲングループと、BMWグループ、ダイムラーAG、フォード・モーター・カンパニーが、欧州において最高出力の充電ネットワークを新設する覚書に署名した。

バッテリー式電動輸送機器による長距離走行を可能とするために膨大な数の充電ステーションの迅速な構築を目標としている。これはマスマーケットへのBEVの適用を促進する重要なステップとなる。

■2017年は約400ヶ所へ設置 従来の充電速度を大幅に上回る高出力

計画されている出力レベル350kWの超高速高出力充電のネットワークは、現在展開されている最もパワフルな充電システムの速度を大幅に上回る。

このネットワークの構築は、2017年に開始される予定で、欧州で約400ヶ所の設置が初期目標として計画されている。

■2020年までに数千ヶ所 EVで長距離走行を可能に

ユーザーは、2020年までに数千ヶ所の高出力充電ステーションの利用が可能になる。幹線道路や主要道路沿いのオープンネットワークの充電ステーションによって、これまで大半のBEVドライバーが実現できなかった長距離走行を可能にすることを目標としている。

■ガソリン給油と同等レベルに

充電作業が従来のガソリンスタンドの給油と同じくらい簡易なものに進化することに期待が寄せられている。

これらのネットワークは、コンバインド・チャージング・システム(CCS)標準テクノロジーに基づいている。計画されている充電インフラは、電気自動車のACおよびDC充電のための既存の標準技術を、次の段階の350kWによるDC急速充電を可能にする性能にまで引き上げる。

充電ステーションのフルパワーに対応して設計されたBEVは、現在のBEVに比べてわずかな時間で車両のブランドに関係なく充電することができる。ネットワークは、欧州におけるBEVの導入を容易にするために、全てのCCS装備車両への対応を目指している。

■BMWグループ BMW AGハラルド・クルーガー会長
「この高出力充電ネットワークは、E-モビリティに移行するための後押しとなる魅力を自動車オーナーに提供します。BMWグループは、ここ数年にわたって多数の公共充電インフラのプロジェクトに着手してきました。この合弁事業は、E-モビリティを強化するために競合企業が手を組む画期的な出来事となります」

■ダイムラーAG 会長兼メルセデス・ベンツ・カーズ統括のディーター・ツェッチェ博士
「E-モビリティの躍進には、説得力のある車両と包括的な充電インフラの2つが必要です。当社は、新ブランドのEQによって電気自動車の拡充を開始します。製品ラインには、2025年までに10台以上の完全な電気乗用車が加わります。私達はパートナーと一緒に最高出力の充電インフラを欧州に構築します。高出力充電ステーションの利用によって初めて長距離E-モビリティが可能になり、さらに多数のお客様に電気自動車を選択していただくことができます」

■フォード・モーター・カンパニー マーク・フィールズ社長兼CEO
「信頼のおける超高速充電インフラはマスマーケットに適用するために不可欠で、電気走行の可能性を変革するための潜在力を備えています。フォードは人々の生活を改善する車両とテクノロジーの開発に力を注ぎます。そしてこの充電ネットワークは、欧州のお客様の電気自動車の利用をさらに容易で実用的なものにします」

■アウディAG ルパート・シュタートラー会長
「私達は、長距離を走行するお客様が充電のためのストップに使用可能なネットワークを構築する予定です。信頼できる高速充電サービスは、ドライバーが電気自動車を選択するための主要な要因となります。私達は今回の提携によってより広範な市場へのE-モビリティの適用を促進し、ゼロエミッション走行へのシフトを加速することを望みます」

■ポルシェAG オリバー・ブルーメ社長
「私達にとっては2つの決定的な側面があります。つまり、超高速充電と適切な場所での充電ステーションの設置です。これらの2つの要因によって、従来のエンジン車同様に完全な電気自動車で走行することが可能になります。当社は自動車メーカーとして、電気自動車の開発だけでなく必要なインフラの構築により積極的に未来を具現化します」

■欧州は電気自動車に

これらの自動車メーカーは、E-モビリティの未来への信頼を明確に示しながら、ネットワークの形成のために多額の投資をする予定だ。

BMWグループ、ダイムラーAG、フォード・モーター・カンパニー、およびフォルクスワーゲングループによる共同設立企業は、合弁事業において対等のパートナーとなる。BEVカスタマーのための利便性の高い充電インフラを設置するために、他の自動車メーカーに対してもネットワークへの参加を促している。この合弁事業は、地域のパートナーとの提携も受け入れるという。

なお、合弁事業の設立は、正式契約の締結と各種権限の合弁に関する様々な権限者の同意を必要とするという。

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