かつて1983年から1993年まで10年間をF1で過ごし、3勝をあげた記録を持つ元F1ドライバーのティエリー・ブーツェンが、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)はF1チャンピオンとなるにふさわしいドライバーだと主張した。
■最終戦でロズベルグ3位以上ならタイトル確定
2016年のF1ドライバーズタイトルのゆくえは今週末に行われる最終戦F1アブダビGP(27日決勝)で決着することになる。
メルセデスAMGのドライバー同士による一騎打ちに注目が集まることになるが、最終戦を迎えるにあたってロズベルグはチームメートのルイス・ハミルトンに対して12ポイントをリードしており、仮にハミルトンが優勝しても、ロズベルグが3位以内でフィニッシュすれば念願の初タイトル獲得が実現することになる。
ロズベルグとしては、あえてリスクを冒してハミルトンに戦いを挑むことなく、確実に3位以上でゴールすることを目指すという戦略をとることも可能だ。
仮に、そういった形でタイトルのゆくえが決まったとしても、ロズベルグはチャンピオンとしてふさわしいと思うかと質問されたベルギー出身のブーツェンは、次のように答えた。
「イエスだ。当然だよ」
「彼は成熟したドライバーだし、F1チャンピオンとしての資質があることを証明してみせてきた」
■ラウダだって同じ戦略をとったこともある
だが、ここ最近の数レースでは、大きなポイントリードを築いたロズベルグが2位狙いの安全策をとっているのではないかとの批判的なコメントも聞こえてきている。
だが、これに関して現在59歳のブーツェンは次のように続けた。
「ニキ・ラウダだってまさにそれと同じことをやったよ。何レースかで勝ち、その後は冷静に待ちの姿勢をとったんだ」
「ニコは正しいよ。だけど、それは彼の性格を反映したものでもある。ロズベルグとハミルトンを比較することなどできないのだからね」とブーツェンは付け加えている。