伝えられるところによれば、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、各サーキットに設けられたアスファルトや芝生のランオフエリアをすべてグラベル(砂利)に造り変えるべきだとの声に対して、否定的な考えを持っているようだ。
■コーナーのショートカット問題がクローズアップされたメキシコGP
今季のF1第19戦メキシコGP決勝では、第1コーナーをショートカットしたことでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に5秒加算ペナルティーが科された。だが、同じ場所で同じようなショートカットを行ったルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)には何のおとがめもなかった。
これとタイミングを同じくして、F1最高責任者のバーニー・エクレストンがコースを全部「壁」で囲んでしまえばこういう問題は起きないと言う趣旨の発言をしたことにより、一気にこの話題が大きく取りざたされることになった。
■ランオフエリアをグラベルに換えれば問題解決
そして、この問題に対して別の案を提示したのが、元F1ドライバーのファン・パブロ・モントーヤだ。モントーヤはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように語った。
「グラベルトラップを施せば、こうした議論も終わるよ」
レッドブルのダニエル・リカルドもそのアイデアは素晴らしいと思うと次のように語っている。
「僕はグラベルがいいと思う。そこでペナルティーを受けることになるからね。仮にスタックしなかったとしても、タイヤやサイドポッドの中に石ころが付着してしまうから、そこでアドバンテージを得ることなどできないよ」
■FIAは消極的。理由はピレリ
だが、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、今後さらにグラベルを増加させるのは難しいと見られている。それは、F1公式タイヤサプライヤーであるピレリがそれを受け入れないと考えられるためだ。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、あるFIA関係者による次のようなコメントを紹介している。
「ピレリはすでに苦情を言ってきているんだ。あまりにもコース周辺に石が多すぎて、それがタイヤにダメージを与えるのだとね。グラベルが増えれば、それはさらに悪化してしまうだろう」