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F1ブラジルGP出走禁止処分もうわさされるベッテルの「暴言問題」

2016年11月01日(火)16:43 pm

先週末に開催された2016年F1第19戦決勝後に一番大きな話題を提供したのは、歴代2位タイとなるF1通算51勝目をあげて今季のタイトル獲得の望みをつないだルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)でも、2位を確保して初タイトル獲得に向けて着実な一歩を刻んだニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)でもなく、フェラーリのセバスチャン・ベッテルだった。

●【動画】ベッテル、レッドブル勢と激しいバトルで物議/F1メキシコGP決勝レース

■レース終盤に無線で「暴言」を吐いていたベッテル

レース終盤、ベッテルからプレッシャーをかけられていた3番手走行中のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はブレーキングミスを犯してコースオフしてしまう。だが、フェルスタッペンはそのままコーナーをショートカットして再びベッテルの前でコースに戻ることができた。

ベッテルとしてはコース外を走行することによってフェルスタッペンがアドバンテージを得たのは間違いないと考えていたが、フェルスタッペンはベッテルに順位を譲ろうとはせず、そのまま抜きどころのないエルマノス・ロドリゲス・サーキットでベッテルの前に立ちふさがる。そして、その間にレッドブルのダニエル・リカルドがベッテルの背後に迫ってきていた。

ベッテルは無線で放送禁止用語を用いてフェルスタッペンのことを批判していたが、それでおさまらなかったベッテルはF1競技委員長であるチャーリー・ホワイティングに対しても名指しで「役立たず」、「やめちまえ」というような意味の放送禁止用語を連発。まさに言いたい放題の暴言を繰り返していた。

■レース結果が二転三転

そしてそのベッテルを追い抜こうとリカルドがコーナー手前で並びかけようとしたときにベッテルがそれを防ぐために進路を変更。並ぶようにしてコーナーに入った2台は接触し、ベッテルが順位を守ってそのままゴールを迎えていた。

レース後すぐに3番目にチェッカーを受けたフェルスタッペンに5秒加算ペナルティーが言い渡され、ベッテルが3位に繰り上がって表彰台に上ることに。イタリアGP(第14戦)以来5レースぶりに表彰台に上ったベッテルは、笑顔でトロフィーを受けていた。

ところが、その後の審議により、ベッテルがリカルドに行った防御行為がルール違反となるものだったとしてベッテルに対する10秒加算ペナルティーが決定。ベッテルはこれにより5位に順位を下げ、リカルドが3位、フェルスタッペンが4位に繰り上がるという正式結果が発表されたのだ。

■ベッテルの暴言を重く見るF1 次戦出走禁止も?

レース後、とりわけ問題視されたのが、ベッテルが走行中に放送禁止用語を多用してフェルスタッペンばかりでなく、F1競技委員長に対しても普段は考えられないような発言を行っていたことだ。

かつて4度F1タイトルを獲得したベッテルがこうした行為や発言を行ったことを重く見た統括団体のFIA(国際自動車連盟)では、ベッテルに対して次戦F1ブラジルGPへの出走停止処分を下すことも検討していると伝えられている。

■レース後には反省の色を見せていなかったベッテル

レース直後に、そうした発言によってF1の品位をおとしめてしまったと思わないかと質問されたベッテルは次のように答えていた。

「なぜみんながそういう質問をして僕を追い詰めようとするのか理解できないよ」

さらに、ああした言動は子供たちによくない影響を及ぼすものだったと指摘されたベッテルは、さらに次のように続けた。

「僕がレースをしているときに子供たちのことを考えているとでも思うのかい? いや、僕は自分のレースをしているだけだ」

「子供たちがレースをしているとき、彼らが僕のことを考えながら走っていると思うかい? いや、彼らも自分のレースをしているだけさ」

また、レース後に競技委員長のホワイティングと会ったときにどういう話をしたのかと質問されたベッテルは、「それはあなたには関係のないことだ」と答えている。

■ベッテルの行為はスポーツマンらしくなかった

だが、今回の件では明らかにベッテルの味方は少なそうだ。

かつてミナルディとレッドブルからF1参戦した経験を持つオランダ出身の元F1ドライバー、ロバート・ドーンボスは次のように語っている。

「ああいうアドレナリンが噴き出す状況では、つい感情的になってしまうことがあるのはよく理解できるよ」

「だが、チャーリー・ホワイティングやマックスをああいうふうにののしったり侮辱したりするのはまずいね。ああいうことはスポーツにはそぐわないものだ」

■ベッテルは競技委員長に陳謝したとアリバベーネ

フェラーリのチーム代表を務めるマウリツィオ・アリバベーネは、レース終盤に興奮して不適切な発言を繰り返していたベッテルに対し、「落ち着け」と無線を通じて語りかけていた。

レース後にベッテルの問題について質問を受けたアリバベーネは次のように答えた。

「我々は一緒に話をした。私とセバスチャンでね。それだけだよ。私は、ドライバーたちと自分が何をしているのかということについてみなさんに話す必要はないよ」

「彼は(ホワイティングに)わびを入れたし、私もこういうことはもう2度と起こらないと確信しているよ」

■もう批判合戦は止めようとアリバベーネ

メディアには、かつてベッテルのボスのひとりであったレッドブルのヘルムート・マルコ(ドライバー育成責任者)によるベッテル批判コメントも取り上げられている。

だが、アリバベーネはそうした行為もまた行き過ぎだと示唆し、次のように語った。

「誰もが自分自身のことを顧みる必要があるものさ」

「私はこういうふうに他人を批判するのは好きではない。私はヘルムート・マルコからも、ほかの誰からも授業をしてもらう必要はないよ」

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