F1メキシコGPの過去の歴史映像が公開された。
F1初開催は1963年だ。「エルマノス・ロドリゲス(ロドリゲス兄弟)・サーキット」というサーキット名は、メキシコの兄弟レーサー、ペドロ・ロドリゲスとリカルド・ロドリゲスから名づけられている。2人ともレースでの事故で他界している。
■1986年ベルガー初優勝
1986年は、予選4番手からスタートしたゲルハルト・ベルガー(ベネトン・BMW)がタイヤ無交換作戦を実行し、見事な戦略で自身初優勝を飾った。ベネトンチームにとっても、前身のトールマン時代を含めて初優勝となった。2位はアラン・プロスト(マクラーレンTAG)、3位はアイルトン・セナ(ロータス・ルノー)だった。
■1992年シューマッハ初表彰台
前年、シーズン中にセンセーショナルなデビューを飾ったミハエル・シューマッハ(ベネトン・フォード)が、F1フル参戦1年目となる1992年、第2戦F1メキシコGPで初表彰台を獲得した。優勝は当時最強のナイジェル・マンセル(ウィリアムズ・ルノー)、2位はマンセルのチームメートのリカルド・パトレーゼだった。初表彰台を喜ぶシューマッハの初々しい表情が新鮮だ。
■アクシデント・・・セナ、アリオー、ワーウィック
旧コースはバンピーだったため、ここでは大きなアクシデントがいくつか起こっている。ラルースでローラ・フォードをドライブするフィリップ・アリオーは、最終コーナーで姿勢を乱してホームストレートで2〜3回転する大クラッシュを演じたが、本人も「大きな事故だったけど、今あなた(インタビュアー)と話せて幸せだよ」と語っている。
その他、最終コーナーでは1987年にデレック・ワーウィック(アロウズ・メガトロン[BMW])がクラッシュ、1991年にはアイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)が転覆している。
■バンクならではのオーバーテイクも
かつて最終コーナーはバンク角のついた半円型のコーナーだった。1990年、最終コーナーでイン側を守るゲルハルト・ベルガー(マクラーレン・ホンダ)をアウト側から仕掛けたナイジェル・マンセル(フェラーリ)が豪快にオーバーテイクするシーンも映っている。これでフェラーリは1−2フィニッシュ。優勝はアラン・プロスト(フェラーリ)、2位マンセル、3位ベルガーだった。
■2015年に復活したメキシコGP
バンク角のついた最終コーナー部分が、野球スタジアム内を通るインフィールドセクションに変わり、メキシコGPは復活した。そのスタジアムの盛り上がりはこれまで見たことがないような景色だ。
地元メキシコ人ドライバーのセルジオ・ペレス(フォース・インディア)とエステバン・グティエレス(ハース)は地元ファンの大声援を受けてアクセルを踏み込む。
●【動画】ベルガー初優勝、シューマッハ初表彰台、セナ転覆・・・歴史を紡ぐF1メキシコGP(3:10)