早ければ、今週末に行われるF1メキシコGP(30日決勝)で今季のF1チャンピオンが決定する可能性がある。
■ロズベルグ優勝でハミルトンが10位以下ならタイトル確定
先週末にテキサス州オースティンで行われたアメリカGPでは今年F1タイトル3連覇を狙うルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)がポール・トゥ・ウィンを達成した。だが、2位でフィニッシュしたチームメートのニコ・ロズベルグが依然として26ポイントもハミルトンをリードしている。
つまり、もしロズベルグがメキシコGPで優勝を飾り、ハミルトンが10位以下に終われば、その時点で今季のタイトルのゆくえが決定してしまうことになる。言ってみれば、ロズベルグが最初のマッチポイントを握った状態となっているわけだ。
■トラブルだけが怖いとハミルトン
ハミルトンがそれを心配しているのは間違いないだろう。マレーシアGPでトップを快走していたハミルトンだが、ほぼ勝利を手中に収めたと思われたレース終盤にエンジンにトラブルが発生してリタイアとなり、それによって今季のタイトル獲得に黄信号がともることになってしまっていた。
アメリカGP決勝で、先頭でチェッカーフラッグを受けたハミルトンは、レース後に母国イギリスのメディアに次のように語っていた。
「考えていたのは、クルマが最後までもってくれるようにということだけだったよ。それだけさ」
■アプローチを変えるつもりはないとロズベルグ
マッチポイントを握ったに等しい状況を迎えたロズベルグは、『APA通信』に今週末で初タイトル獲得が決まる可能性もあるがと質問されると次のように答えた。
「もちろん、それは分かっているよ」
「僕はメキシコでのレースに集中していくし、あそこで勝利できるよう頑張るよ」
ロズベルグはさらに、『Bild(ビルト)』に次のように語った。
「F1では何も期待などできないんだ。もし心の中でもう決まったと思い始めれば、その時点ですでに負けが決まったようなものさ」
「だから、僕はこれからもすべてのレースで勝ちにいくよ」
■ロズベルグにとっても怖いのはリタイア
そのロズベルグにとって、現在一番怖いのはハミルトン同様、クルマに何かトラブルが起きてリタイアとなることだ。もしリタイアしてノーポイントに終わるようなことがあれば、タイトルのゆくえはまったく分からなくなる。
メルセデスAMGを率いるトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)も次のように語った。
「彼はリタイアとならないように注意する必要がある。それが重要だ」
「ニコは難しい状況に置かれているよ。彼は、一方では攻撃的であり続ける必要があるものの、一方ではクラッシュするリスクを避けなくてはならないからね」
■計算通りにはいかない場合も
現時点では、ハミルトンが残りの3レースすべてで勝利を飾っても、ロズベルグは2位2回、3位1回を達成すればタイトルに手が届く状態だ。
メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダは、その条件をうまく利用するのもありだと語りつつ、それによってリズムを失う可能性もあると次のように警鐘を鳴らしている。
「ニコがタイトルのことを考えているのは間違いないよ。たとえ彼が何と言おうとね。戦略的にいくべきときもある。だが、もし遅く走り過ぎれば物事が間違った方向へ進み始めることもあるんだ」
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