またまたF1最高責任者バーニー・エクレストンの発言がF1界に波紋を投げかけている。
先週末にテキサス州オースティンで開催されたF1アメリカGPではディフェンディングチャンピオンのルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)がポール・トゥ・ウィンを達成した。だが、それでも2位に入ったチームメートのニコ・ロズベルグが3レースを残す段階で26ポイントのリードを保っており、圧倒的に有利な位置にいるのは間違いない。
■F1のためにはハミルトンがチャンピオンのほうがいい
だが、エクレストンはオースティンでイギリスの記者たちに、今年もハミルトンがF1タイトル3連覇を達成してくれることを期待していると語ったのだ。その理由は、もしロズベルグがチャンピオンになってもF1にとってそれほどの宣伝効果が生まれないためだという。
メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダは、このエクレストンの発言は、「F1タイトル争いが非常に重要な局面を迎えている」ときだけに、ロズベルグに対して「非常に不公平」なものだと批判を行っている。
■ハミルトンは最高のF1アンバサダー
だが、エクレストンはこれに対し、自分の発言の意図が正しく伝えられていなかったのが問題だと、次のように語った。
「新聞には私が語ったことの半分しか書かれていないのが残念だよ」
「私はニコに反感を持っているわけじゃないんだ。彼は素晴らしいドライバーだよ。だが、ルイスはF1を世界に知らしめる素晴らしいアンバサダーなんだ」
「ロズベルグもチャンピオンになる資格はあるだろう。いい仕事をして多くのポイントを稼いだのだからね。だが、ルイスがサーキットの外でやっている仕事に目を向けてみるがいい」
「彼はトークショーに出て、レッドカーペットを歩き、F1ブランドをしょって世界の至るところに顔を出している。F1や、主催者としての私にとっては、彼以上の人物はいないよ」
■ハミルトンは過去最高のF1チャンピオンだとエクレストン
実際のところ、アメリカGPにはハミルトンが招待したセレブたちの姿があった。オスカー俳優であるクリストフ・ヴァルツ、テニスプレイヤーのビーナス・ウィリアムズ、女性スキー選手のリンゼイ・ボンなどだ。エクレストン率いるFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)が配信するF1国際映像も意識的にそうしたセレブたちの姿を多く紹介していた印象があった。
エクレストンは、「私は本気で言っているんだ。ルイスはこれまでのF1チャンピオンの中では最高だとね」と付け加えた。
■この時期にそういう発言をするのはアンフェアだとラウダ
だが、ラウダはこのエクレストンの説明にも納得はいかないようだ。
現役時代に3度F1王座についたことがある伝説的元F1ドライバーでもあるラウダは、次のように主張した。
「そういうことは彼の胸のうちに留めておいたほうがよかったし、もし言うにしてもシーズン後のほうがよかったよ。今そんなことを言うのはニコに対してフェアではないね」
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