元F1ドライバーであるゲルハルト・ベルガーのおいっ子がそう遠くない将来にF1デビューを飾る日が来るかもしれない。
かつてマクラーレンやフェラーリで活躍していたベルガーの22歳となるおいのルーカス・アウアーは、現在メルセデスチームからDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)に参戦している。
■F1で活躍するメルセデス育成ドライバーたち
今年、メルセデスの支援を受ける2人の若手ドライバーがF1デビューを果たしている。1人は2015年にDTMで史上最年少チャンピオンに輝いたパスカル・ウェーレイン、もう1人はフランス人ドライバーのエステバン・オコンで、現在はこの2人がメルセデスパワーユニットを搭載するマノーでチームメートとして戦っている。
2017年シーズンに向けて、ウェーレインはフォース・インディア、オコンはルノーへの移籍の可能性がうわさされるなど、メルセデス出身F1ドライバーが着実にF1キャリアを駆け上ろうとしているわけだ。
そして、この2人の次にF1のドアをたたくことになるのではないかと考えられているのがアウアーだ。2017年は無理としても、もし来年DTMで優れた実績を残せば、2018年にはそのチャンスが開かれるかもしれない。
事実、少し前には、メルセデスのモータースポーツ責任者であるトト・ヴォルフが、アウアーに関して「F1への道は開かれている」と語ったことが伝えられていた。
■実力と人脈の両方が必要だとベルガー
ベルガーは、おいっ子の将来について『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。
「もしルーカスがF1に進みたいのなら、DTMで一貫性のあるパフォーマンスを示すことが必要だし、彼を助けてくれる影響力を持つ人物も必要となる」
だが、F1に影響力のある人物ということであれば、アウアーにはすでに2人の味方がいるということになりそうだ。もちろんそれはベルガーとヴォルフだ。
「もし誰かF1で走る可能性を秘めた者がいれば、当然それを目指すべきだよ」とベルガーは付け加えた。
■次の課題はDTMでタイトル争いにからむこと
アウアーは、今年ラウジッツリンクでDTMでの初優勝を飾ったものの、最終的にはランキング12位でシーズンを終えている。
アウアーのF1昇格について質問されたヴォルフは、『Krone(クローネ)』紙に次のように答えた。
「走ろうとする前に、まず歩くことを学ぶ必要があるよ。彼が次のステップをうまくやれれば、私も彼がF1に進むに十分だと信じられるだろうね」