F1公式タイヤサプライヤーであるピレリが、2017年のF1シーズン前テストはスペインのバルセロナではなく、中東のバーレーンで行うべきだとの主張を繰り返した。
ピレリがあらためてその主張を行った背景には、今週バルセロナで行われた2017年仕様試作タイヤでのテストが思うように進展しなかったことがある。
■足を痛めたハミルトンに代わってウェーレインがテスト参加
今週の12日(水)と13日(木)の2日間にわたって、メルセデスAMGが2017年仕様タイヤが装着できるように改造した2015年型F1カーをつかってバルセロナで試作タイヤのテストを行った。
当初、メルセデスAMGではレースドライバーであるニコ・ロズベルグとルイス・ハミルトンがそのテストを担当することになっていた。そしてロズベルグは予定通り12日に合計60周に及ぶテスト走行を行ったものの、ハミルトンは足の痛みを抱えたという理由でこのテストを欠席。急きょメルセデス所属ドライバーであるパスカル・ウェーレイン(マノー)が代役を務めている。
メルセデスAMGの広報担当者はこれに関し、「彼(ハミルトン)はいい状態でオースティン(アメリカGP/23日決勝)に向かうために身体を休め理学療法士の治療を受けることになり、テストには参加しないことで合意が得られた」と説明している。
■雨でドライタイヤでのデータはあまり得られず
だが、ピレリのテストが計画通りに進まなかったのは、この突然のドライバー交代だけが原因ではなかった。
本来、今週のバルセロナでは2日間ともにドライタイヤのテストが行われる計画となっていた。だが、ロズベルグが担当した12日は午後から雨となり、60周のうち午後に行った14周は雨用タイヤのテストに切り替えられていた。そして13日は朝からウエットコンディションとなり、ウェーレインはすべて雨用タイヤで31周を行うにとどまっている。
ピレリのモータースポーツ責任者であるポール・ヘンベリーは、今週のテスト結果を受け、次のように語っている。
「同じようなことが来年の序盤にも起こりえる。だからこそ我々は2017年にはシーズンが始まる前に温暖な気候が約束される地でテストを行いたいのだ」