フェラーリの創設者エンツォ・フェラーリの息子であるピエロ・フェラーリが、イギリスに拠点を構える必要などはないと主張した。
イタリアの名門F1チームであるフェラーリだが、2007年にキミ・ライコネンが最後のドライバーズタイトルを獲得して以来、ずっとF1チャンピオンを誕生させることができていない。今年もすでにタイトル獲得の望みは消えており、これで連続9年間タイトルから見放されてしまったことになる。
■フェラーリはイギリスに設計ファクトリーを設けるべきだとブリアトーレ
こうした状況を受け、元ルノーのチーム代表であったフラビオ・ブリアトーレなどは、フェラーリも有能なF1技術者を多く輩出し、技術情報の交換も非常に多く行われているイギリスにシャシー設計部門を置くべきだと主張。最近も次のように語っていた。
「私ならレッドブル、マクラーレン、ウィリアムズの(各拠点の)真ん中にきれいなビルを建てるね」
■今のフェラーリの方針は正しいとピエロ
だが、エンツォ・フェラーリの唯一存命の息子であるピエロは、フェラーリは完全にイタリアのチームではなくてはならないと主張するセルジオ・マルキオンネ会長の意見を支持し、フェラーリ専属ジャーナリストとして知られるレオ・トゥッリーニに次のように語った。
「1,000名を超えるような規模のレーシングチームを統制していくのは決して簡単なことではないし、組織的な問題があったこともある。だが、今の方向性は正しいものだ」
■フェラーリは伝統を守るべき
フェラーリの副社長であり共同オーナーでもあるピエロは、80年代中盤にイギリスにフェラーリの設計部門を置いたときのことを振り返りながら次のように続けた。その設計部門は革新的F1カー設計者として名高いジョン・バーナードが率いていたものだ。
「私がチーム運営にかかわっていた時期において、最も後悔の念を抱いているものは何だか分かるかね?」
「それは、まだ外部の素晴らしい設計者に頼る必要があると父を説得したことだ。だが、バーナードは決して我々の文化に溶け込もうとはしなかった。それは大きな間違いだったよ」
そう述べたピエロは、次のように付け加えた。
「私がマルキオンネに同意する理由はそこにある。フェラーリの伝統を守り続けることで、我々は再び勝利できるようになるのだ」