メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダは、ルイス・ハミルトンがオースティンで開催される次戦F1アメリカGP(23日決勝)ではまたうまくやれるはずだと考えている。それは、レースだけではなく、メディアに対する姿勢も含めてのことだ。
■鈴鹿でメディアにたたかれたハミルトン
第16戦マレーシアGPではトップを快走しながらパワーユニットが火を噴いてリタイアに終わったハミルトンだが、その翌週に鈴鹿で行われた日本GPでは、メディアとの関係が火を噴くことになってしまった。
6日(木)に鈴鹿で行われたドライバー記者会見の席で終始スマホをいじりながらスナップチャットに興じていたことで大きな批判を受けたハミルトン。さらに、8日(土)には予選後のチーム記者会見で質問に答えることなく途中退席するなど、ここへきてメディアとの関係悪化が目立つようになっている。もちろん、メディアはこぞってハミルトンの姿勢に関して批判的な記事を書き連ねている。
■ロズベルグのほうがうまくやっているのは事実だとヴォルフ
シーズン終盤という重要な時期を迎えながら、ハミルトンはメディアとのそうしたやりとりによってむだなエネルギーを費やすことになっているのではないかとドイツのテレビ局から質問されたトト・ヴォルフ(メルセデスAMG/ビジネス担当エグゼクティブディレクター)はそれを認めるように次のように答えた。
「危険なのは、こうしたことを簡単に解決することができないということだよ」
「一方で、ニコ(ロズベルグ)はすべてをうまくやっている。気を散らす可能性があることをすべて脇に置いてね。今年の彼はそれがうまくできているよ」
■ハミルトンと話し合いを持つとラウダ
だが、ラウダは、今後に向けてハミルトンと話し合いを行うことでこの問題も解決されるはずだと次のように語った。
「手に負えないような問題じゃないよ。我々は彼と話をするつもりだし、彼も礼儀正しくメディア対応できるだろう。特に、我々が記者会見を催す際にはね」
■ハミルトンはレースには集中してくる
一方、ロズベルグのほうはあと4レースを残すのみとなった時点でハミルトンに33ポイントもの差をつけ、初F1タイトル獲得の期待が大きく膨らんでいる。だがロズベルグは、ハミルトンは実際のところこれまでには見られなかったほど懸命に取り組んでいると鈴鹿でのレース後に語り、今後もハミルトンがレースでは強さを発揮するはずだとほのめかしている。
ヴォルフも、今回のメディア騒動がハミルトンの走りに影響を及ぼすことはないだろうと次のように付け加えた。
「ああいう記者会見となったことで、メディアがいろいろと書いている。それが彼(ハミルトン)に影響を及ぼすかと言えば、私はそうは思わないよ。それ(メディア)が彼にとって最優先事項だとは思っていないからね」